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ラグビーPRESSBACK NUMBER
親会社から「今後の発展を見込めない」…ラグビーリーグワン“日本選手権優勝3回”の名門が退会危機のナゼ 窮地のウラにラグビー特有の“ある課題”
posted2025/09/03 17:01
2002年度に初めて日本選手権を制したNEC。計3度の日本一にも輝いた名門がなぜリーグ脱退という窮地に立たされているのか
text by

大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
JIJI PRESS
8月20日、ラグビーリーグワンにショッキングなニュースが流れた。リーグワンディビジョン2(D2)のグリーンロケッツ東葛を運営するNECが、リーグを脱退(退会)、チームを譲渡するという方針を発表したのだ。かつては3度日本一にも輝いた名門が、なぜ窮地に立たされたのか。その裏側をレポートする。《NumberWebレポート全2回の1回目/つづきを読む》
NECは8月、ジャパンラグビーリーグワン2025-2026シーズン終了後のリーグワン退会を前提に、運営するラグビーチーム「NECグリーンロケッツ東葛」の譲渡に向けた検討を開始したと発表した。
3度の日本一経験も…名門に何が?
《「NECグリーンロケッツ東葛」は1985年の創部以来、日本選手権優勝3回、マイクロソフトカップ優勝1回の実績を有し、多くの日本代表選手を輩出するなど、日本ラグビーの発展や地域活性化に貢献してきました。
NECは従業員の一体感醸成や士気高揚を目的に、文化体育活動の一環として「NECグリーンロケッツ東葛」を運営してきましたが、近年ラグビーを取り巻く環境が大きく変化する中、NECにおけるチームの位置づけを慎重かつ多面的に検討した結果、NECが中長期にわたり持続可能な形でチームをさらに発展させていくことは困難と判断しました。
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これを受け、これまで培ってきたチームの資産を承継すべく、チームの譲渡に向けた検討を開始することとしました》(NECのプレスリリースより)
20日、緊急会見したリーグワンの東海林一専務理事は、「1年ほど前からNEC本社からチームのありかたについて相談を受けていた」と明かした。その過程において、譲渡先も検討されたが「現時点で確定している先はない」という。

