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ヤマハとの名勝負、周到な準備。
沢木サントリーが3連覇に王手。
posted2018/12/12 07:00
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
Yuuri Tanimoto
大会史上初の延長サドンデス。日本選手権を兼ねたラグビー・トップリーグの順位決定トーナメント準決勝で、2連覇の王者サントリーがヤマハ発動機を28-25で退けた。日本選手権史上初の延長戦にもつれ込んだ激闘で、サントリーの沢木敬介監督は用意周到だった。
「サドンデスで決着がつかなかった場合は、コンバージョン(両軍5人ずつによるキック合戦)。そのときのシミュレーションもしっかりしていました」
ここまで順風満帆ではなかった。今季リーグ戦は6勝1敗の2位通過。トップリーグ開幕から2戦連続で2点差の辛勝となり、3戦目で神戸製鋼に黒星を喫した。
スタンダードを80分間発揮するというよりは、得点状況に左右される試合運び。その一方で、今季出場機会の少ない選手が中心となった日野との練習試合(9月29日)では、84得点を奪って完封。主力と控えのモチベーションの差が垣間見えた。
勝因の1つはレフリー対策。
とはいえ結果的にファイナル進出。今季サントリーのターニングポイントは、どこにあったのか。
準決勝に先発したHO北出卓也が挙げたのは、今季新設のトップリーグカップ第3戦だった。
「カップ戦のNTTコム戦は、普段出られていない選手がすごく良いパフォーマンスをしていました。メンバー全員の刺激になったと思いますし、争いが増えて、チームとしてレベルアップができたと思います」
大阪を舞台に33-26で競り勝った。勝因のひとつはレフリー対策。サントリーでは試合担当レフリーの特徴を分析し、メンバーに周知徹底させている。カップ第3戦後に沢木監督が語っていた。
「どうやったらペナルティなのか、レフリーの特徴に対し、選手たちがしっかりと対応してくれました」