【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
『グラゼニ』凡田夏之介vs.池田純氏。
メジャーでスター選手と仲良くなるべし!
posted2018/12/13 07:00
text by
池田純Jun Ikeda
photograph by
Number/Morning
2018年秋、仙台ゴールデンカップスの左腕・凡田夏之介は、横浜DeNAベイスターズの前球団社長・池田純氏との公開対談に臨んでいた。32歳、もはや若手とは言っていられない状況の中で、夏之介の心は千々に乱れていた。一言で言えば、将来の不安である。
夏之介「僕、将来が不安なんです。もう32歳、現役でいられる残り時間のことを考えなければならない一方で、乳飲み子を含む3人の子供と妻を養っていかなきゃならないんです。どうしたらいいんでしょう」
池田「では、一緒にセカンドキャリアを考えていきましょうか!」
池田氏との問答の中で、引退後も球界に残りたい、と気持ちを示した夏之介。その意思が固いことを確認すると、池田氏は思いもよらない選択肢を提示してきた。
池田「夏之介選手、メジャーに行きましょう! そして、顔と評判を売りましょう!」
夏之介「えええ? マジですかー?」
池田「マジです。大マジです」
夏之介「僕、一度失敗してますし、選手としてやっていけるか、やっぱり不安です。それに、僕のセカンドキャリアとどうつながるんですか?」
夏之介は、スパイダースを退団後、ポスティングシステムを利用して、入札してきた唯一の球団であるメジャーリーグのボストン・ブルーソックスと契約。メジャーリーグまであと一歩のところまで行ったが、本人の預かり知らぬところでの策謀渦巻く中、帰国を余儀なくされたことがある。
そのときのトラウマが、ないわけではない……。