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負の歴史でもカメラを止めるな。
DeNAドキュメンタリー公開の覚悟。

posted2018/12/13 08:00

 
負の歴史でもカメラを止めるな。DeNAドキュメンタリー公開の覚悟。<Number Web> photograph by YDB

主将の筒香嘉智も「空気は重かったと思います」。この作品を通じてDeNAが伝えたかったこととは――。

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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YDB

 あまりにも重く、息が詰まりそうなシーンがつづく。果たして球団として、これを世に出すことに抵抗はなかったのか――。

 横浜DeNAベイスターズ公式ドキュメンタリー映像作品第6弾となる『FOR REAL-遠い、クライマックス。―』が12月14日から劇場公開される(2019年1月2日、DVD・Blu-ray発売)。

 チームに1年間密着してカメラをまわし、選手たちの素顔や勝負の裏側を克明に映し出した映像作品を、DeNAは体制が変わった2012年より『ダグアウトの向こう』としてスタートさせた。

 深層に踏み込んだ映像はプロ野球界では画期的な試みとして内外で注目を浴びると、ラミレス監督が就任した2016年からは『FOR REAL』として生まれ変わり現在に至っている。

映像化には反対の意見も。

 近年のチーム状況を鑑みれば、これまでの作品は「DeNAという弱いチームがいかに成長し、戦う集団になっていったのか」を描き出してきた。そして昨シーズン日本シリーズへ進出したことで、今季の作品はこれまでとは異なり「強者としていかに戦うのか」という部分がフィーチャーされるはずだった。

 だが、ご存知のようにDeNAは3年ぶりのBクラス。CS争いは演じたものの、結果だけを見れば後退であり、20年ぶりのリーグ優勝を夢見たファンの期待を裏切った。極論をすれば“負の歴史”ともいえるシーズンを、なぜ映像化することにしたのだろうか。

「もちろん反対意見もありました」

 こう語るのは球団の映画部門の担当者である里見夏生氏だ。

「シーズンが進むにつれリーグ優勝が厳しくなり、最下位も考えられる状況でしたから、当然球団として検討と議論を重ねました。大事なのはファンの方々に伝えたいことがあり、いかにその価値を見出せるかでした」

【次ページ】 明るい話題は短く、苦難は長く。

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