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金子投手の日本ハム入りで思い出す、
大谷翔平との全球ストレート勝負。
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byKyodo News
posted2018/12/11 11:30
10日、日本ハムの入団会見に臨んだ金子。心機一転、登録名を千尋から「弌大(ちひろ)」に変更した。
気温が低いだけで右肩が。
右肩の痛みを隠し、投げてきたこの数年間。メジャーリーグ挑戦よりもオリックスバファローズで優勝を目指すことを選択し、気が付けば年齢は35歳。いつ引退してもおかしくはない年齢になっていました。
普段は決して自分の怪我の状態のことに関して多くを語らない我慢強き彼が、
「雨が降っている、気温が低い……これだけで右肩が上がらない日がありました。右肩の下側の部分が動かない日があったんです」
と話してくれました。
「ちひろ君、よくそれでローテーションに入って投げてこれたね」と返すと、「ずっと、ごまかしてきた近年でした。悩み続けました。でも、今はトレーニングによって大きく回復に向かっています。身体の状態さえ戻れば、必ず良かった時に近いパフォーマンスを出す自信はあるんです」
11月後半で130kmを超えている。
自身の去就が注目される中、プロ17年目に入る右腕はまさにトレーニング漬けの日々でした。
シアトルでは、球速が飛躍的に上がると注目されている投手トレーニングの科学研究施設で、大リーガーたちに混じり、これまでにないハイペースで身体を磨き上げていました。
「今、軽く投げて、この時期で130kmを超えています。11月後半にこれだけ肩が動くようになるとは思っていませんでした。この時期で痛みなく投げられるようになっていれば来季が見えてきたと思います」