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外国人騎手の8週連続GIが止まるか。
2歳女王の最有力は武豊の騎乗馬?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2018/12/08 08:00
勝ったアルテミスSでは上り3ハロンで33.8という強烈な末脚を繰り出したシェーングランツ。
今週は日本人騎手の有力馬が多い。
ほかにも外国人騎手のGI連勝にストップをかけそうな馬がいる。
北村友一のクロノジェネシス(父バゴ、栗東・斉藤崇史厩舎)と、福永祐一のビーチサンバ(父クロフネ、栗東・友道康夫厩舎)だ。
2人の「ユウイチ」が乗るこれら2頭は、ノーザンファームが輸入した牝馬ラスティックベルからつながる同じ母系の出身である。
ラスティックベルは、クロノジェネシスから見たら3代母、ビーチサンバからは2代母になる。
クロノジェネシスは2戦2勝で、どちらも圧勝。半姉に今年の紫苑ステークスを勝ったノームコアがいる。
ビーチサンバは、前走のアルテミスステークスで、前出のシェーングランツの2着。全兄に'05年の2歳王者フサイチリシャールがいる。
この牝系も、ダイナカール-エアグルーヴ-アドマイヤグルーヴとつながるノーザンファームの基幹となる牝系に伍する、大きな牝系に育っていく可能性がある。
浜中俊のタニノミッション(父インヴィンシブルスピリット、栗東・中竹和也厩舎)の母は、'06年にこのレースを勝った名牝ウオッカである。新馬戦を勝っただけの実績だが、6分の3の抽選をくぐり抜けるあたりは、やはり持っている。勝てば、'95年ビワハイジ'08年ブエナビスタ、'11年ジョワドヴィーヴル以来の母仔制覇となる。
デムーロはダノンファンタジー。
これらをまとめて負かしても不思議ではないのが、前走のファンタジーステークスを余裕たっぷりに差し切ったダノンファンタジー(父ディープインパクト、栗東・中内田充正厩舎)だ。
主戦の川田将雅が同日の香港スプリントでファインニードルに騎乗するため空席となった鞍上に、クリスチャン・デムーロが指名された。C.デムーロが、アユサンでの'13年桜花賞、タイムフライヤーに騎乗した昨年のホープフルステークスにつづくJRA・GI3勝目を挙げ、外国人騎手によるGI連勝を「9」とする可能性は、けっして小さくない。