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外国人騎手の8週連続GIが止まるか。
2歳女王の最有力は武豊の騎乗馬?
posted2018/12/08 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
NIKKAN SPORTS
2歳女王を目指すこれら18頭のなかに、近い将来、アーモンドアイを脅かす「スーパー女子」はいるだろうか。
第70回阪神ジュベナイルフィリーズ(12月9日、阪神芝外回り1600m、2歳牝馬GI)には、姉妹制覇がかかる超良血娘や、抽選をくぐり抜けて母娘制覇を狙う1勝馬、ノーザンファームが育む同じ母系の2頭など、楽しみなメンバーが揃った。
外国人騎手による8週連続GI勝利をそろそろストップさせてほしい――という願望込みの期待を集めそうなのが、武豊のシェーングランツ(父ディープインパクト、美浦・藤沢和雄厩舎)である。
父が「怪物」フランケルの半姉ソウルスターリングは、2016年にこのレースを勝って2歳女王となり、翌'17年のオークスも制した。
母スタセリタは、ソウルスターリングの主戦であるクリストフ・ルメールの手綱で'09年の仏オークスとヴェルメイユ賞などを制した名牝だ。それにフランケルを種付けして日本に輸入され、社台ファームで生まれたのがソウルスターリングである。
フランケルのあと、スタセリタにはずっとディープインパクトが配合され、'15年こそ産駒はなかったが、'16年にはこのシェーングランツ、'17年と'18年もディープ産駒の牝馬が誕生している。今後、大きく枝葉をひろげ、社台ファームの基幹となる牝系のひとつに発展するかもしれない。
武豊と藤沢調教師のタッグは久々。
武と藤沢和雄調教師のタッグによるGI参戦は、'10年のこのレースで9着に敗れたダンスファンジア以来。勝てば、'04年桜花賞のダンスインザムード以来、'14年ぶり、2度目のこととなる。
武がシェーングランツに初めて騎乗した前走アルテミスステークスでは6番人気という評価だったが、道中は後方に控え、ラスト400m手前で外に持ち出されると、前をまとめて差し切った。「外に出したらフォームが変わった」というコメントは、いかにも武らしい。
姉がオークスでしたように何度も手前を替えることもなく、直線は右手前でまっすぐ走った。直線の長い阪神外回りコースは、この馬にとって間違いなく走りやすい。引いたのは内の4番枠。直線では外に出すだろうが、過去3戦とも内枠からのスタートだったので、問題ないだろう。