沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
チャンピオンズカップも主役は3歳馬。
「砂のアーモンドアイ」の大物感。
posted2018/12/01 09:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Kyodo News
ラブカンプーがスプリンターズステークスで2着と健闘し、ステルヴィオがマイルチャンピオンシップを優勝。さらに、アーモンドアイがジャパンカップを圧勝するなど、今年の3歳世代は、古馬との戦いで、大きな存在感を見せている。
ダート戦線にも、歴戦の古豪を震え上がらせる大物がいる。
今週の第19回チャンピオンズカップ(12月2日、中京ダート1800m、3歳以上GI)に出走するルヴァンスレーヴ(牡、父シンボリクリスエス、美浦・萩原清厩舎)である。
これまで7戦6勝2着1回。前走、地方競馬の盛岡ダート1600mで行われた南部杯では、昨年の最優秀ダートホースのゴールドドリームらを下し、レース史上初めて3歳馬として優勝した。
7戦6勝2着2回という成績も、勝つときは必ず1馬身以上突き放す「圧勝型」であるところもアーモンドアイと同じだ。「砂のアーモンドアイ」と言ってしまうと男の沽券にかかわるかもしれないが、アーモンドアイが凱旋門賞制覇の夢を見せてくれるように、ドバイワールドカップやブリーダーズカップ制覇の可能性を感じさせる逸材だ。
3歳馬による勝利は過去にゼロ。
どこからでも競馬ができるし、左右の回りに関係なく力を発揮する。
萩原調教師が「競馬の形が定まっていないので、流れに応じて、また新しい面が出ればいいと思っています」とコメントしたように、完成途上でありながらトータルバランスに優れ、古馬を凌駕する力を持っている。
主戦のミルコ・デムーロも、後ろから行ったり、先行したり、マクったりと、さまざまな形でこの馬の強さを引き出すことを楽しんでいるように見える。
最大の強敵と目されていたゴールドドリームが回避したため、先週のアーモンドアイ同様、一本かぶりの人気になるかもしれない。
勝てば、ジャパンカップダート時代から通算して12年ぶり、4頭目の3歳馬による制覇となる。が、舞台を中京のダートに移し、レース名がチャンピオンズカップに変更されてからは、3歳馬による勝利はない。
それでも、昨年までの30年間、3歳馬の最高着順が4着だった南部杯を圧勝したこの馬にとっては、ジンクスというほどの壁にはならないだろう。