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オカダ・カズチカと棚橋弘至が友達?
新日トップがタッグを組む思惑は……。
posted2018/11/25 10:00
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
新日本プロレスは「ワールドタッグリーグ」を開催中だが、ファンの興味は11月29日、後楽園ホールでオカダ・カズチカと棚橋弘至がタッグを組むことに流れている。
チケットはすでにソールドアウトだ。
「それは見たいですよ。今まで対角線にいて交わらなかった新日本のトップ2人が同じコーナーに立つわけですから」
リングサイドで熱い声援を送っている棚橋ファンの女性は「6人タッグでも見たいの?」という私の意地悪な問いかけにこう答えた。
まあ、タッグを組むというものの、感覚的には「序章」という位置づけが思い浮かぶ6人タッグマッチだ。
オカダ、棚橋にKUSHIDAが加わる。
相手はジェイ・ホワイト、バッドラック・ファレと石森太二だ。
“CHAOS(混沌)”が崩壊した???
翌30日からはロッキー・ロメロと外道がそれぞれのチームに加わって、8人タッグマッチの同一カードで12月7日の秋田大会まで6試合がプログラムされている。
9月23日の神戸大会がきっかけだったと言ってもいいだろう。
CHAOS内での不協和音――オカダがマネジャー役の外道と決別したことで、オカダが所属するCHAOSが名前の通り「混沌」としてきた時だ。
神戸でホワイトが、オカダを倒してIWGP挑戦の権利証を守ったばかりの棚橋を襲ってKO、さらに身内だったオカダも外道と結託してKOした。
オカダは6月のIWGP王座陥落後は、謎の多い“風船男”と化して方向性の見えない不安定なキャラクターに浸っている。
未だに何がしたいのか、見えてこない。「混沌」そのものを楽しんでいるようにさえ見えるときもある。
もしかしたらオカダかと思った9月の神戸でも、IWGP挑戦の権利証を棚橋から奪えないままに、東京ドームはホワイトとの普通のシングルマッチに落ち着いてしまった。
あれだけ絶対的な強さを売りにしてきた男なのに、東京ドームのメインイベントにも、セミファイナルにも届かないところにオカダは位置づけられてしまったのだ。