ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
全国の少年が憧れたマスクマン、
ミル・マスカラスの華麗なる業績。
posted2018/11/18 09:00
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
Moritsuna Kimura/AFLO
来年2月19日に両国国技館で行われる『ジャイアント馬場没20年追善興行~王者の魂~』に、ミル・マスカラスとドス・カラスのマスカラス・ブラザーズが参戦。カズ・ハヤシ&NOSAWA論外組と対戦することが発表された。
新日本、全日本をはじめとした主要各団体から選手が派遣され、“オールスター戦”として開催される今大会。マスカラスは、'79年8月26日に行われた、『プロレス夢のオールスター戦』にも、ジャンボ鶴田、藤波辰巳(現・辰爾)との夢のトリオで出場しており、また馬場さんの全日本で、夏休みのシリーズには毎年必ず来日する常連外国人だっただけに、今大会へ出場するにふさわしい選手と言えるだろう。
また、今大会は幅広い年齢層のファンが集まることが予想されているが、その点でもマスカラスはうってつけの存在だ。なぜなら、日本のプロレス界には、“マスカラスから始まった”ことがいくつもあるからだ。
人気外国人レスラーの元祖。
現在、新日本で活躍中のケニー・オメガをはじめ、日本のファンから人気を集める外国人レスラーは多数存在するが、その元祖とも言えるのがミル・マスカラスだ。
日本のプロレスは黎明期から、凶悪な外国人レスラーを日本のエースがどう迎え撃つかが基本構造であり、それはウルトラマンや、戦隊ヒーローものにも通じる、少年たちが熱狂する黄金パターンだった。
しかし、そんな力道山時代から続いた「正義の日本人レスラーvs.悪の外国人レスラー」という基本構造を初めて覆したのが、'60年代末に華麗なテクニックで外国人でありながら国際プロレスでエース格だったビル・ロビンソン。そして少年ファンを中心に爆発的な人気を誇ったミル・マスカラスだろう。