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京田をどうする?根尾昂を当てた
与田監督が問われるマネジメント術。 

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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posted2018/11/22 08:00

京田をどうする?根尾昂を当てた与田監督が問われるマネジメント術。<Number Web> photograph by Kyodo News

根尾昂の交渉権を得た与田監督は本人の遊撃手希望に対し、チーム内で競争させる方針を示している。

譲る気はさらさらない。

 宇野、久慈ともに30歳を迎えるシーズンでの転機だった。来季で25歳となる京田とは実績や評価はまた違うかもしれない。

 しかし、根尾を使うという決断は、今季全試合出場した京田のコンバートに直結する。予想されるのは京田が二塁、二塁の高橋が三塁へという布陣だが、これまでの野球人生をほぼ遊撃一筋で過ごしてきた京田にとって、すべての動きが逆になる二塁守備に適応するにはそれなりの時間が必要だ。かといって根尾のプレーを見る前に動き始めるということもあり得ない。

 京田はこう話す。

「もちろん譲る気はありませんよ」

 その一方で空気は肌に伝わっている。

「こうなったのは今年の僕の成績のせい。だから自分でポジションを守るしかありません」

 選手としては当然の考え方だ。

 根尾を使うのか、使わないのか。使うのならいつ、どんな方法でチームを動かすのか。決めるのは与田監督だ。恩師でもある星野監督が見せた一流のマネジメント術。立浪を抜擢した1988年も、福留を使った1999年もチームを優勝に導いている。

 そろって名球会入りしており、育成と勝利の二兎を得た。新監督もその道に続けるのか。リーダーの決断に注目だ。

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