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<カープ4番の終戦>
鈴木誠也「完敗をステップボードに」

posted2018/11/17 15:00

 
<カープ4番の終戦>鈴木誠也「完敗をステップボードに」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

text by

鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph by

Hideki Sugiyama

 ファウル、ファウル、ファウル。最後の粘りは4番の意地のように見えた。

 王手をかけられた第6戦の9回2死。鈴木誠也外野手はカウント2ボール2ストライクから懸命にボールに食らいついてファウルを連発した。そして最後は森唯斗投手の148kmを打った球が三塁に転がり、懸命に一塁を走り抜けると少し天を仰いだ。

「新井(貴浩)さんと最後の最後までできなかった悔しさはありますけど、とりあえず力は出し切れた。悔いはありません」

 試合後の鈴木の言葉は意外と乾いていた。

 1勝4敗1分け。

「悔しさというより完敗という感じだった。自分たちの力を出し切って負けたのだから、仕方ないです」

 またも届かなかった日本一だったが、鈴木にとってはバットマンとしての成長を示せたシリーズではあった。

「神ってる」という流行語を生み出した2年前の2016年。一軍レギュラー定着を果たした鈴木にとり、日本ハムとのシリーズは手も足も出ないものだった。

 18打数4安打の打率2割2分2厘。自分の力のなさを痛感させられたからこそ、このシリーズはどれだけ自分が成長できたかを試す戦いでもあった。

「割り切りであったり、そういうのをしっかり持って打席に入れたので、迷いなくスイングができた。それが良い結果につながったのだと思う。楽しんではできました」

 4番の仕事ができた自負はある。

 初戦の第1打席でソフトバンク先発の千賀滉大投手から右前安打を放つと、第2戦では3安打3打点をマーク。敗れた第3戦では6回と8回にいずれも先頭で2打席連続本塁打を放つと、第4戦でも4回にソフトバンク先発の東浜巨投手の144kmを左翼席まで運んで意地を見せた。

【次ページ】 “師匠”内川聖一にもらった金言。

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