イチローと丸の恩師が福岡へ帰還。
左打者育成の「新井宏昌塾」開校！

　イチローの師として高名な、あの打撃コーチが来季11年ぶりにホークスへ帰ってくる。

　新井宏昌。御年66歳である。

　自身も現役時代は南海、近鉄で通算2038安打を放った好打者。'93年オフ、オリックス新監督に就任した仰木彬監督に請われて打撃コーチとして指導者人生をスタートさせる。

　そこでまだ一軍とファームを行き来していた「鈴木一朗」と出会い、当時の河村健一郎二軍打撃コーチと取り組んでいた振り子打法を理解して、その特殊な打ち方を前提としたうえで才能を引き出していった。

　迎えた翌年の'94年シーズンに当時前人未到のシーズン210安打を放って、イチローはスター街道を歩み始めることになった。ちなみに、この「イチロー」の登録名誕生に新井コーチが関わっているという説もある。

カープで丸の飛躍を手助け。

　そして時を経て、現在の球界を代表する大打者の育成にも関わっていた。

　その教え子は今季、打率.306、39本塁打、97打点を挙げた。今オフFA宣言をして去就が大注目されている、カープの丸佳浩である。

　新井コーチは'13年から3シーズン、カープでも打撃コーチを務めた。

　丸はすでに一軍定着を果たしていたが、強打を誇る打者ではなかった。前年の成績は106試合、打率.247、4本塁打、22打点。その前年は9本塁打を放っていたが、やはり打率は2割4分台（.241）と確率の悪い打者だった。

　それが就任1年目シーズンで.273まで上昇させると、翌'14年には3割打者（.310）へと飛躍に成功。本塁打も2桁に乗せるようになったのだった。

　イチローと丸に共通するのは左打者という点。新井はとにかく左打ちバッターの育成には定評がある。

「今回、ホークスからお話を頂き大変光栄に思いました。もう日本のプロ野球のユニフォームを着ることはないと思っていましたので」

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