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春はまさかの連闘で安田記念制覇。
モズアスコットがマイルCSも最有力。
posted2018/11/17 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
エリザベス女王杯が行われた先週の日曜日、京都で外国人騎手が11連勝したばかりだが、今週の第35回マイルチャンピオンシップ(11月18日、京都芝外回り1600m、3歳以上GI)でも、外国人騎手が上位を独占するかもしれない。
リーディングを独走するクリストフ・ルメールが騎乗するのは、この春、連闘で安田記念を勝ったモズアスコット(牡4歳、父フランケル、栗東・矢作芳人厩舎)。
異例の連闘策をとった安田記念から一転して、今回は、秋初戦のスワンステークスから中2週という通常のローテーション。いずれにしても、使われて調子を上げるタイプであることに違いはなく、非常にいい状態でここに来ている。
もし勝てば、2015年のモーリス以来、史上7頭目の春秋マイルGI制覇となる。ルメールにとっては、自身の年間GI最多勝記録を更新する8勝目となる。
名手と有力馬の組合せがズラリ。
それを阻止しそうな馬の筆頭は、ミルコ・デムーロが乗る昨年の覇者ペルシアンナイト(牡4歳、父ハービンジャー、栗東・池江泰寿厩舎)か。
昨年のこのレース以来勝ち鞍はないが、春の大阪杯で2着と底力を見せた。安田記念では6着、秋初戦の富士ステークスでは5着と勝ち切れずにいるが、どちらもスムーズなレースができなかったので度外視していい。
また、長距離輸送が苦手なのか、関東より関西圏での成績のほうがよく、京都、阪神では着外がない。
勝てば'06、'07年のダイワメジャー以来、史上6頭目の連覇となる。デムーロはこの秋、エタリオウで菊花賞2着、ラビットランでJBCレディスクラシック2着、そしてモズカッチャンでエリザベス女王杯3着になるなど、惜しいレースがつづいているだけに、そろそろ何とかしたいところだろう。
ミルコの弟クリスチャン・デムーロが乗るロジクライ(牡5歳、父ハーツクライ、栗東・須貝尚介厩舎)、短期免許で来日しているウィリアム・ビュイックのステルヴィオ(牡3歳、父ロードカナロア、美浦・木村哲也厩舎)、ライアン・ムーアのアエロリット(牝4歳、父クロフネ、美浦・菊沢隆徳厩舎)も圏内だ。
当日、ジョアン・モレイラは香港で騎乗するため不在だが、それでも、どれが勝っても不思議ではない世界的名手と有力馬の組み合わせがズラリと揃った。