ブンデス・フットボール紀行BACK NUMBER
ベスト布陣でドルトムントに敗戦。
ついにバイエルン1強時代が終焉へ。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byUniphoto press
posted2018/11/16 10:30
バイエルンの牙城を崩したのは、ドルトムントで今季絶好調のロイス(左)だった。
「ウチの娘はロイスが……」
国際Aマッチウィークの今週、ドイツの各メディアは代表戦の話題が増えてきました。『Die Mannschaft(ディー・マンシャフト)』(ドイツ代表の愛称)は今、今季創設されたネーションズリーグのリーグAからリーグBへ降格する危機に瀕しています。
ノイアーは「ドルトムントではいい試合ができた。自分はいいフォームを保てている」と語り、なんとか集中を保って難局を乗り切る覚悟を示していますが、顔色は冴えません。
11月9日に発表されたドイツ代表メンバーにおいて、バイエルン所属はノイアー、ズーレ、フンメルス、ニャブリ、キミッヒ、ゴレツカ、ミュラーと24人中7人。ドルトムントはロイス1人。レーブ監督率いるドイツ代表はいまだにバイエルンに依存しているとも言え、だからこそバイエルンとドイツ代表の成績は密接にリンクしているのでしょう。
僕はどちらかというとアンチ・バイエルンで、“1強時代”の終焉を予感させる状況に、むしろブンデスリーガの活況と新たな魅力を見出し始めています。しかし、ドイツ代表の凋落とバイエルンの苦境を目の当たりにすると、いささかの危惧も覚えます。
また、大家さんに会いました。
「バンヤン、どうなっちゃってんのよ。でも、ロイスが2点も決めたからよかったわよ。ウチの娘はロイスが好きなのよ。彼女、格好いい選手が好きなんですって」
少しだけ“盟主交代”の匂いが漂い始めています。