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モウリーニョは、やっぱり面白い。
愛と憎しみで彩られる稀代の策士。 

text by

井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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photograph byUniphoto PRESS

posted2018/11/15 10:30

モウリーニョは、やっぱり面白い。愛と憎しみで彩られる稀代の策士。<Number Web> photograph by Uniphoto PRESS

モウリーニョは常に観る者の心をプラスにもマイナスにも揺さぶる。稀代のエンターテイナーたる所以だ。

彼の存在は、間違いなく面白い。

 港町セトゥバル出身の稀代の策士に向けられる愛と憎しみ──。

 一流の選手キャリアを持たないのに、4カ国で5つの名門を率い、各国すべてのリーグを制し、2度も欧州制覇を遂げているのは、手放しで賞賛できることだ。ただそのビビッドで時に傲岸なパーソナリティは多くの敵をつくる。

 3年目のジンクス(モウリーニョは過去に率いた多くのチームで3シーズン目に不調に陥っている)に勇敢に抗っているように見えるといえば、好意的に過ぎるだろうか。ただし、ひとつ言えるのは、彼の存在がフットボールの世界を面白くしていること。それは間違いない。苛立っている人もいるはずだが、波が立たないよりマシだ。

 現在、チャンピオンズリーグではグループ2位と好位置につけているが、プレミアリーグでは序盤のもたつきが響いてまだ8位。モウリーニョとユナイテッドの巻き返しに、僕は期待している。

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ジョゼ・モウリーニョ
マンチェスター・ユナイテッド
欧州チャンピオンズリーグ

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