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R・マドリーの暫定監督ソラーリ。
会長に従順な男の期限は「2週間」。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byUniphoto PRESS
posted2018/11/08 10:30
ジダンやフィーゴとともに「銀河系」時代のレアルでプレーしただけに知名度は抜群。監督としての手腕は?
ソラーリの監督就任は消去法か。
一方で、クラシコでの歴史的大敗により、ロペテギ解任は待ったなしとなった。ペレス会長とクラブに残された手は、'16年からBチームを率いてきたソラーリを暫定監督として時間を稼ぐことだった。
――と書くと「仕方なく」という側面が強く響くが、クラブ関係者のなかには「いまこそソラーリの出番」と期待した人もいたようだ。
理由は、まずチームマネージメントの巧さがある。
下位カテゴリーから上がってくる生え抜きと、クラブが外部から買い集めるタレントが肩を並べる雑多なBチームを、過去2シーズンに渡ってまとめ上げてきた手腕は、現在の難局を乗り切るカギとなり得るというのだ。
次にR・マドリーというクラブをよく知っていること。
銀河系選抜時代のクラブをピッチ上で経験しているソラーリは、チームに向け内外から発せられる要求やプレッシャーがどれほどのものかを熟知している。
そして、ビニシウス起用の見込みだ。
C・ロナウドのようなメディアを引き寄せるスターがいない今、クラブは4500万ユーロ(約58億円)もの大金でフラメンゴから買い取りBチームに登録した18歳を、救世主に仕立て上げようとしている。
ロペテギは自分の判断を貫いた。
しかし、そんな思惑を無視して自分の判断を貫き通したのがロペテギだった。クラシコ当日もクラブのお膳立てなど意にも介さず、ビニシウスをベンチ入りメンバーから外してスタンド観戦させている。
一方、今季Bチームでビニシウスの欧州サッカーへの順応を助けてきたソラーリなら、トップチームでもどんどんチャンスを与えると思われる。ソラーリはペレス会長の意向に従うことでも知られている。