フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
更に進化した五輪女王ザギトワ。
ヘルシンキGPで見せた圧倒的能力。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byJoosep Martinson/ISU via Getty Images
posted2018/11/05 17:00
これまで多くの五輪女王が、若くしてモチベーションを失い、消えていった。ザギトワは違うのか?
「ザギトワ・ルール」とは?
昨シーズン、圧巻の強さで高いポイントを稼ぎ、GPファイナル、欧州選手権、平昌オリンピックで優勝したザギトワ。
だが彼女が勝ち続けていくにつれ、彼女の後半にジャンプを詰め込んだプログラムは、ISUが定義している「バランスの取れたプログラム」と言えるのか、という疑問の声が、関係者の間でどんどん大きくなっていったのだ。
その結果、ISUは6月のISU総会でルールを改正した。
今シーズンから後半のジャンプにボーナスポイントが与えられるのは、SPでは最後の1つのみ。そしてフリーでは3度までとルールが変わったのである。
この新ルールは俗に「ザギトワ・ルール」と呼ばれている。
ルール改正のきっかけとなったザギトワも、今シーズンのプログラムのジャンプ構成は、ボーナスポイントが獲得できる最大限のみ後半にし、残りは前半に入れてきたのである。
今シーズンの最高スコアを出したザギトワ。
今シーズンからの新たなルール変更は、他にも多数ある。
中でも大きいのは、ジャンプの基礎点に変更が加えられたことだ。
女子が通常試合で跳ぶ3回転ジャンプは、フリップを除くとすべて0.1から0.2、ポイント数値が下げられた。
そのためこれまでの歴代最高点はリセットされて、今シーズンからまた新たに記録が築き上げられていくことになった。