フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ヘルシンキGP圧勝の羽生結弦。
4アクセルへの、新たな挑戦。
posted2018/11/07 16:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Akiko Tamura
今シーズンのGPヘルシンキ大会で、羽生結弦は完璧なショートプログラムと、大きなミスのないフリーを滑りきった。
総合297.12と、2位のミハル・ブレジナ(チェコ)に40ポイント近くの点差をつけ圧巻の優勝。9月末のシーズン初戦オータムクラシックから、30ポイント以上もスコアを伸ばした。
ルールが大幅に改定されたため、今シーズンから新たにリセットされたスコアシステムの中で、今季の男子が出した最高点である。
「確実にいい練習をしてこれたというのが、演技として出たかなと思います。ただ(フリーの4ループと4トウループの)アンダーローテイションは悔しい。きれいにきめたいと思います。1回試合に勝つだけじゃだめ。しっかりこれ以上のできが試合でできるように、考えながらこの先やっていかなきゃいけないと思っています」
「憧れが詰まったプログラム」
2度のオリンピック制覇も果たし、勝つべき試合は勝ち、取るべきタイトルは全て手にした羽生結弦。だが彼にとってモチベーションはまだまだ尽きるところがないようだ。
結果を出すことを最優先とした昨シーズンが一段落し、今シーズンの羽生には新たな滑る喜びがある。
今季のプログラムは2つとも、彼の「憧れが詰まったプログラム」なのだという。
SPは元全米チャンピオン、ジョニー・ウィアーが2004年から2006年にかけて滑ったフリーで使用した『秋によせて』。
フリー『Origin』は、エフゲニー・プルシェンコが長年コラボワークを行ったヴァイオリニスト、エドウィン・モートンによる演奏で、プルシェンコが2003年から2004年にかけて滑ったフリーの曲が取り入れられている。