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U-19代表がグループL突破確定。
2本柱の安部裕葵、齊藤未月が復活!
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byAFLO
posted2018/10/24 18:00
U-19日本代表の“10番”安部裕葵はチーム最年長。すでに鹿島アントラーズで活躍している。
「まだコンディションは70%くらい」
「まだ自分のコンディションは70%くらいです」と北朝鮮戦の翌日練習で語っていた齊藤だったが、その初戦から2日経ったこの日は序盤から持ち前の高いボール奪取力と攻守のバランス感覚を発揮。ボランチとして攻守を繋ぐ潤滑油となった。
一方の安部も、北朝鮮戦ではアディショナルタイムも含めて、僅か17分間の出場にとどまったが、後半アディショナルタイム3分には鮮やかな身のこなしからトドメの5点目を挙げるなど、調子を上げてきていることを実証した。
「あの場面で投入されたので、もちろんゴールを狙うチャンスがあれば狙いますが、僕の中では長い時間出ている選手にプラスになるような、為になるようなプレーを心がけました」
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試合後のミックスゾーンで安部は冷静に語りながらも、コンディション面で好感触を感じている様子だった。
「今日も出場時間が短いので疲労感もないですし、身体はいい状況です」
「自分の体が動けるなという確認」
タイ戦ではこの言葉を実証するかのように、左サイドハーフで先発した安部。複数人に囲まれても慌てることなく、身体を上手く使いながらボールキープし、そこからドリブルとパスを駆使して、攻撃のリズムを作り出していた。
この2人のコンビネーションは試合開始早々の3分に早くも実現している。
左サイドで齊藤が鋭い寄せからボール奪取をしにいくと、その競り合いからこぼれたボールを安部が素早く拾う。そして前線のFW宮代大聖へ繋ぐと、そのまま安部は一気に前方にダッシュ。宮代からのリターンをもらうと、ドリブルで一気に抜け出してペナルティーエリア左に進入してシュート。これはGKに抑えられたが、2人の主役がそれぞれの持ち味を発揮し、融合させたシーンだった。
27分、左サイドで安部がボールを持つと、ドリブルを開始。そこから周囲を見渡しながら、最後に一気に加速してドリブルで左サイド深くまで潜り込んでマイナスの折り返し。これを相手GKが反応するが、スピードあるボールをキャッチしきれず、弾いたこぼれを宮代が押し込んで日本が先制に成功した。
「あそこで(ドリブルをしながら)判断を変えていけるのは自分のコンディションが良い証拠ですし、自分の体が動けているなという確認ができた」(安部)
このプレーで自らのコンディションの良さを確信した安部は、攻守においてさらに強烈な存在感を放っていった。