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中国資本を手に入れたウルブスと、
古豪エバートンがプレミア席巻中。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto press
posted2018/10/20 11:00
メガクラブが居並ぶ中で、ウルブスのようなチームが奮闘するのもプレミアリーグの面白さだ。
エバートンにも変革の気配が。
一方、プレミアリーグのオリジナルメンバーであるエバートン。
クラブ創設は1878年と歴史もあり、フットボールリーグを9回も制している。FAカップで5回優勝し、1984-85シーズンにはカップウィナーズ・カップ(ヨーロッパリーグの前身)の頂点にも立った。しかし、すべてが過去の栄光だ。現在進行形ではなにも語れない。ローカルライバルのリバプールは、世界の最先端を走っているというのに……。
しかし今、エバートンは変わろうとしている。ポルトガル人の戦略家マルコ・シウバを新監督に迎え、トップ6の一角を崩すためのスタートを切った。
第8節を終えて3勝3分2敗。アーセナルに0-2で敗れたり、勝てる内容だったハダーズフィールド戦で引き分けたり、序盤戦の印象はイマイチ芳しくない。とくに守りはマークが曖昧で、セットプレーからの失点が非常に目立っている。ただ、改革途上ゆえの痛みとも考えられる。
今シーズン、シウバ監督はアシュリー・ウィリアムズをストークに放出(レンタル移籍)し、シーマス・コールマン、フィル・ジャギエルカ、レイトン・ベインズといった、長きにわたってDF陣を支えてきた功労者のポジションも保証していない。
チャンスを若手にも与え、シウバ監督が標榜する高いDFラインに適応するタイプの人選を急いでいた。
新世代への代替わりに覚悟が。
その結果、右サイドは21歳のジョンジョ・ケニーが台頭し、左サイドはバルセロナから移籍したルカ・ディニュがベインズにとって代わろうとしている。そしてセンターバックは頭蓋骨骨折から復帰したマイケル・キーンと、コロンビア代表でもあるジェリー・ミナのコンビが定位置確保に最も近い。
この4選手の平均年齢は23.75歳。コールマンは三十路を迎えた。ジャギエルカは36歳になり、ベインズも12月で34歳だ。新世代への代替わりは再建の必須条件だ。シウバ監督の覚悟がうかがい知れる。
ウェイン・ルーニーがアメリカのDCユナイテッドに去ったトップ下にはギルフィ・シグルズソンが収まり、左サイドはブラジル代表にも選ばれたリシャルリソン。
この男は単独突破だけではなく、ディニュとの連係で左サイドから数多くのチャンスを演出している。強気すぎる面構えも含め、グディソン・パークの新アイコンにふさわしい。