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中央大「涙のスピーチ」から2年。
箱根予選会で感じた前向きな気配。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byYuki Suenaga

posted2018/10/18 16:30

中央大「涙のスピーチ」から2年。箱根予選会で感じた前向きな気配。<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

2年連続の箱根行きを決めた中央大学だが、これで満足するはずもない。名門の目はシード獲得に向いている。

畝拓夢を予選会では温存。

 それでも、今年の中大には本戦で10位以内に食い込むチャンスは大いにあると私は考えている。

 就任3年目の藤原正和監督が、昨年には見られなかったようなゆとりを予選会で見せていたからだ。

「前回は予選会に集中していた状態でした。今回は多少の余裕はあります」

 藤原監督は、前回の5区を区間10位でまとめた畝拓夢(2年)を予選会では走らせなかった。

「1月2日を見据えた時に、畝にとっていい流れを作りたかったという意味合いもあります」

 そう話すなど、畝が不在でも予選会は通過できるという手ごたえを感じていたようだ。

 予選会シフトから、シード権モードへ。中大復権の気配は漂う。往路でうまく流れに乗れれば、チャンスは膨らむはずだ。

陸上部には大学の関与が強い。

 ただし、名門だけにプレッシャーも大きい。

 中大の法科大学院の教授を務め、テレビのコメンテーターとしての出演も多い野村修也陸上競技部部長はこう話す。

「他の大学では、体育会が独立した組織のようになっていて、大学のガバナンスが及びにくいところもあると思います。中大の陸上部は、大学が積極的にかかわっているのが特徴です」

 聞けば卒業生からの寄附でも、陸上部の活動資金になるよう指定されたものも少なくないという。

 ただし、それだけに結果を残せなかった時の反動も大きく、2013年に5区で途中棄権をした時と、一昨年に出場を逃した時には大学に抗議の電話が相当数寄せられたと、私は別の関係者から聞いている。

【次ページ】 陸上部は中央大学の顔である。

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