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広島の中心は鈴木誠也と大瀬良大地。
昨年戦力になれなかった2人の逆襲。

posted2018/10/17 08:00

 
広島の中心は鈴木誠也と大瀬良大地。昨年戦力になれなかった2人の逆襲。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

今季は鈴木誠也が打率.320、30本塁打、94打点、大瀬良大地が15勝7敗、防御率2.62とエースと4番の役割を果たした。

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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Nanae Suzuki

 クライマックス・シリーズ(以下CS)ファイナルステージが17日、初戦を迎える。3連覇した広島がファーストステージを2連勝で突破した巨人を、本拠地マツダスタジアムに迎える。

 昨年の苦い記憶が甦る。同じ3位から這い上がってきたDeNAに広島は初戦を取りながら、その後連敗。降雨中止を挟みながら重苦しい1週間を過ごすこととなった。

 選手たちは、昨年の悔しさを胸に刻んでいる。それが、3連覇の原動力ともなった。誰もが同じ轍は踏まないと、強い決意を胸にプレーボールを待っている。

 悔しさとは違う感情を持って、その日を迎えようとしている選手がいる。昨年はケガのため出場できなかった鈴木誠也と、降雨中止による日程変更の影響で先発の機会が訪れなかった大瀬良大地だ。

パタリと音が止まった2年前。

 鈴木にとっては2年ぶりのCSとなる。'16年は4試合で15打席で12打数1安打に終わった。シーズンでは7月以降、打率3割後半のハイアベレージを残し続けてきたが、短期決戦ではパタリと音が止まった。

 同年オフに「どうしてもシーズン中の形を意識してしまっていた」と振り返っていた。

 崩れた感覚を短期間で戻せぬ“失敗”が鈴木の血肉となった。

 日々変わる体の状態、打撃の感覚を受け入れ、形にこだわることを止めた。もちろん、根幹をなす形は変わらない。だが、ブレイクしたシーズンの打撃フォームは捨て、新たな形を常に模索するようになった。

 当時まだ、22歳。それからWBCを経験し、広島では4番を任せられるようになった。昨季終盤には、右足首骨折という大ケガも経験。野球ができない日々を過ごし、復帰した今季も全力疾走を制限される中でのプレーを余儀なくされた。

 より体のコンディションの波が大きいシーズンだからこそ、頭を悩ませた。

【次ページ】 ロマンチストというよりリアリスト。

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