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武豊騎手JRA通算4000勝の快挙は、
凱旋門賞のフランスでも大きな話題。 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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photograph bySatoshi Hiramatsu

posted2018/10/12 16:30

武豊騎手JRA通算4000勝の快挙は、凱旋門賞のフランスでも大きな話題。<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

凱旋門賞の翌日、フランス・コンピエーニュ競馬場でJRA通算4000勝を表彰される武豊騎手。

ムーア、デットーリからも祝福。

 ちなみにこの勝ち馬のオーナーはアメリカのチームヴァラーインターナショナルという団体で、過去にはケンタッキーダービーとドバイワールドCを優勝したアニマルキングダムなどを所有していた馬主グループ。口取りに現れた同グループの1人である男性は「過去にシアトルに住んでいた」と言い、更に次のように続けた。

「イチローはアメージングなベースボールプレーヤーだったけど、ユタカは競馬界のイチローみたいな存在だね!」

 また、凱旋門賞当日には、こんな事もあったと言う。

 決戦の地であるパリロンシャン競馬場のジョッキールームでは、ライアン・ムーア騎手らビッグレースに集うお馴染みのメンバーから祝福の声をかけられた。中でもその時点で凱旋門賞を5勝、直後に6勝目を記録する名手フランキー・デットーリ騎手からはプレゼントまで渡された。その時の話を破顔して語る。

「フランキーが『おめでとう! お祝いにこれをあげるよ』と言って、普段、本人が使っている老眼鏡を差し出してきました。もちろん、丁重にお断りしましたけど……」

何が何だか分からぬまま表彰。

 更にもっと驚かされたのは凱旋門賞の翌日の事だ。

 10月8日、この日、武豊騎手の姿はコンピエーニュ競馬場にあった。「17年ぶりに訪れた」というこの田舎町にある小さな競馬場で、3レースに騎乗を予定していたのだ。

 3つのうち2つのレースを乗り終わった時、彼はいきなりコンピエーニュ競馬場の職員に「こっちに来てくれ」と腕を掴まれ、引っ張られた。

「裁決に呼ばれたのかと思いました」

 最初、そう感じたと言うトップジョッキーがされるがままについて行くと、いきなり表彰台にあげられた。

「一体、何がなんだか分からないまま、表彰されました」

 フランス語の実況に事態を飲み込めなかったが、なんとこれがJRA通算4000勝を祝しての表彰だった。日本のレジェンドジョッキーが我が田舎町の競馬場に来てくれたということで、歓迎の意を表しての表彰だったわけだ。

【次ページ】 表彰式後のレースできっちり1着。

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