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富樫勇樹vs.篠山竜青&藤井祐眞。
Bリーグ開幕戦でシビれるPG対決。
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph byB.LEAGUE
posted2018/10/05 18:00
川崎の篠山竜青(左)と千葉の富樫勇樹。日本代表同士のポイントガード対決はまずは篠山の勝利となった。
千葉も富樫の速攻で対抗したが。
第1クォーターを5点リードして終えた川崎だが、続く第2クォーターは5067人という大観衆の力強い声援を受けた千葉の反撃に遭う。ミスから得点を許し、開始1分も経たないうちにタイムアウトを取らざるを得なくなる。それでも千葉の勢いは止まらず、速攻を連発して約2分半で逆転に成功。その後はつかず離れずの展開となり、前半は33-30と千葉のリードで折り返す。
後半に入ると、川崎が開始2分で再びリードを奪う。その立役者は、オフェンスリバウンドからのダンクや速攻で千葉のゴール下を強襲した2人の新外国籍選手、シェーン・エドワーズとバーノン・マクリン。千葉も富樫のドライブや速攻で対抗するが、川崎が3点差をつけて最後の10分を迎える。
そして、勝負の第4クォーターは篠山と藤井の両ガードがチームをけん引。残り4分57秒のオフィシャルタイムアウトまで、千葉が6得点と伸び悩んだ一方で、2人が川崎の全16得点を叩き出す。これで一気に点差を13まで広げた川崎はそのままリードを保ち、今シーズンの初陣を飾った。
日本代表ポイントガードの激突。
オンザコートルールとともにこの対戦のもう1つの注目ポイントが、富樫と篠山という日本代表ポイントガードのマッチアップだ。
近年の日本代表の試合では富樫がスターターとしてコートに立ち、篠山は基本的に富樫のバックアップという立場。しかし、チームメートのファジーカスが帰化して代表メンバーに加わったこともあってか、このオフの間に行われたワールドカップアジア予選では篠山の存在感が増し、強豪オーストラリアから金星を挙げた試合でも終盤の大事な時間帯にコートにいたのは篠山だった。
この開幕戦の両者のスタッツを見ると、富樫が18得点2アシスト、篠山が10得点8アシスト。数字としては遜色ないが、直接のマッチアップでは富樫の十八番ともいえるクロスオーバードリブルからのジャンプシュートを篠山が読みきってブロックするプレーもあり、川崎の勝利という結果を抜きにしても篠山に軍配が上がった感がある。特に後半は、篠山がチームをしっかりコントロールしていた印象が強い。