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富樫勇樹vs.篠山竜青&藤井祐眞。
Bリーグ開幕戦でシビれるPG対決。
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph byB.LEAGUE
posted2018/10/05 18:00
川崎の篠山竜青(左)と千葉の富樫勇樹。日本代表同士のポイントガード対決はまずは篠山の勝利となった。
ファジーカス欠場も万全の準備。
「この夏の間、代表で毎日のように練習でマッチアップしてきて、お互いを知り尽くしている部分はある。前半はちょっとおとなしいかなと思ったんですが、後半は篠山選手らしい状況判断の良いプレーをさせてしまって、相手のリズムになったと思います」(富樫)
「試合の序盤のほうで自分の得点とアシストのバランスを意識しすぎてしまって、ミスにつながったところがあった。なので、後半はとにかくディフェンスをよく見て正しいプレーをしようと心がけて、結果的に10得点まで伸ばせた。どういう心持ちで試合に臨めばいいかというのをこれからも試行錯誤しながら、目標達成に向けてしっかりやっていければと思います」(篠山)
チームのコントロールタワーである篠山は、ファジーカスの欠場により大きな役割を担うこととなった新外国籍選手の2人についても、その活かし方を考えなければならなかった。練習で3人同時のプレーを試した時に「少しニック(ファジーカス)に遠慮している部分がある」と感じていたらしく、「そこを解消するためにバランスを考えないといけない」と準備してきたとのこと。
18得点3スティールの藤井も奮闘。
ただこの試合に関しては、北卓也ヘッドコーチも「まだ練習時間の少ないニックがいたら、逆に連係は取れていなかったかもしれない」と言うように、ファジーカス不在が文字通り“ケガの功名”となった。
「今日はニックが試合に出られない中で伸び伸びとプレーできていたと思います。彼らにとって、チームに溶け込む意味でも良いゲームになったと思いますし、ニックが戻ってきたらもっと可能性が広がるので楽しみです」(篠山)
また、昨シーズンのベスト6thマン賞を受賞した藤井の活躍にも触れなければならないだろう。
篠山とは同じポイントガードのポジションだが、この試合でも見られた2ガードはこれまでも対戦相手に脅威を与え続けてきた。18得点3スティールと攻守に奮闘した中でも、特に第4クォーターは北ヘッドコーチも「あの時間帯は藤井じゃないですか」と真っ先に名前を挙げる出色の働きだった。