プレミアリーグの時間BACK NUMBER
W杯で燃えたイングランドに秋風。
スペイン、スイス戦の厳しい現実。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byUniphoto press
posted2018/09/16 11:00
W杯得点王のケインだったが、ネーションズリーグ初戦のスペイン相手に苦戦した。
クラブ以上に育成を意識する。
サウスゲートは、2部からの招集も意に介さない。イングランドのファンは、今夏にレパートリーに加わった「サウスゲート、お前こそが俺たちをその気にさせる!」というチャントを、W杯後も口ずさんでいる。監督への信頼は揺らいでいない。
サウスゲートはクラブの監督以上に育成を意識している。分け隔てなく選手を選び、攻撃的なスタイルを確立しようとしている。決して不平を口にせず、意欲を持って指揮する監督が、近年サウスゲート以外にいただろうか。
軽いブームを起こしたベスト姿ではなく、指揮官がジャケット姿でベンチ前に立った初秋の2試合をもって、イングランドは厳しい現実との戦いを開始した。
冒頭のフレーズがサビにある、『スリー・ライオンズ』に代わるW杯後の代表テーマ曲を独断と偏見で選べば、ハードロック界の大御所AC/DCの70年代の名曲『イッツ・ア・ロング・ウェイ・トゥ・ザ・トップ』になるだろうか?
明るいロック調の曲と同じく「タフで長い道のり」が予想されるが、イングランドは力強く前だけを向いて2022年W杯で目指す世界の頂点へ進み続けるしかない。