甲子園の風BACK NUMBER
龍谷大平安から日大三、金足農へ……。
応援のバトン、動画再生100万回!!
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2018/09/03 16:30
100回目の夏、日本中を熱狂の渦に巻き込んだ金足農アルプス。
相手を思いやる気持ちがバトンになった。
最後まで残れるのはたったの1校。
試合のたびに、必ずどちらかは甲子園を去ることになる。
龍谷大平安の相手を思いやる気持ちが日大三の生徒たちの心にも強く刺さったのであろう。温かなエールのバトンは、しっかりと日大三から金足農へと受け継がれたのだ。
「平安さんから学んだことや、受け取った気持ちを次に伝えたい。子どもたちもそんな風に感じたんじゃないかと思います」(細谷氏)
両校とも何度も甲子園に出場している名門だが、吹奏楽部同士の交流はない。平安の温かな気持ちから生まれたエールで、日大三も「平安の分までがんばろう」と、吹奏楽部の応援にもさらに力が入ったという。
この現場に居合わせた大人たちは、高校生の純粋さとまっすぐさにハッとさせられたのではないだろうか。「甲子園は、こういうことが起こる場所なんだ」と、筆者も心を打たれた出来事だった。