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大谷翔平が打者でフル出場したら。
松井の31本塁打を超える可能性?
posted2018/09/02 08:00
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Getty Images
もしかしたら本当に、大谷翔平はベーブ・ルースの再来なのかも知れない――。
そう思ったのは彼が投手と打者の「投打二刀流」だからではない。「打者・大谷」が、世界一のプロ野球リーグであるメジャーリーグでも、その長距離砲としての能力をいかんなく発揮しているからだ。
ちょっと前のコラムで、メジャー通算521本塁打の米殿堂入り選手で現解説者のフランク・トーマスが、自身が出演したテレビ番組の中で、エンゼルスの大谷翔平のことを「毎日、見たいと思っている」と話していたことを書いた。
トーマスは大谷が時速100マイルの速球を投げる=強肩であること、足が速いこと=守備範囲が広いことを指摘しながら、殿堂入りの仲間である通算630本塁打のケン・グリフィー・Jr.外野手のように、反対方向にも飛距離のある打球を打てる「打者・大谷」を外野手として成功すると断言し、「もっと見たい」と言ったのだ。
もしも、「打者・大谷」がフル出場すれば、どんな成績を残すのだろうか?
確かに好奇心をくすぐられる。野球に「たら・れば」はないのを承知で考えてみた。
「ボスキャラ」バーランダーを攻略。
大谷は8月25日のアストロズ戦で、最初の対戦(5月16日)で3三振を喫したジャスティン・バーランダーから今季、通算14号本塁打を放った。その時点で14本塁打はシーズン途中でヤンキースからツインズに移籍したタイラー・オースティン一塁手に並ぶ新人7位タイだった。
大谷は第1打席で二塁打も放っており、サイ・ヤング賞投手に「借り」を返した形だ。
初対戦で苦い結果に終わったあとの会見で、大谷は「いくら払ってでも経験する価値のあることなのかな、と。それくらい素晴らしい投手だという感じはしました」と言った。
「ここまで品のある球は経験したことがない。そこをクリアしていく楽しみ、そこが今後の自分にとって大事。何回も対戦する機会があると思うので、超えていけるように練習したいです」
ビデオゲームなら今季のサイ・ヤング賞候補のバーランダーは「ボスキャラ」。その攻略に成功=クリアしたのだから、ひとつの壁を超えたことになる。