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大谷翔平が打者でフル出場したら。
松井の31本塁打を超える可能性?
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2018/09/02 08:00
メジャーでは少し目立てば徹底的な対策がなされる……はずなのだが、現時点で大谷翔平がそれを苦にしている様子はない。
新人王の候補に再び躍り出た。
以前のコラムでも書いたように、大谷はこれで日本人の新人歴代3位の井口資仁(2005年ホワイトソックス。現千葉ロッテ監督)の15本塁打に並んだ。2位の松井秀喜(2003年ヤンキース)の16本塁打まであと1本、そして日本人の新人歴代最多の城島健司(2006年マリナーズ)の18本塁打まで、あと3本だ。
大谷が15号本塁打を放った翌日、地元紙を中心に「大谷が再び、新人王候補になった」と報道されたが、当然だ。投手としての4勝1敗、防御率3.10、49.1回を投げて61奪三振(ア・リーグ新人4位の奪三振率11.13)という数字は無視できない。それは規定打席に到達するよりも価値のあることだと思う。
同じ日本人同士だから、贔屓に見ている?
それは認める。開幕前には「マイナーでスタートした方がいいんじゃないか?」と思った分、「打者・大谷」の日々の活躍には本当に驚かされているし、今までメジャーで活躍した日本人選手の「枠」みたいなものを超えたところにいる彼の存在を、とても頼もしく思っている。
「なぜ、大谷を推さないのか?」
だが、「ホームラン」は野球の華なのだ。
ベースボールというエンターテイメント=娯楽を楽しむため、「ホームラン」は老若男女、誰もが分かり易く楽しめる大きな要素なのだ。そして、そう感じているのは我々日本人だけではない。
たとえばFOXスポーツのリポーター、ケン・ローゼンタルは、自身が出演した27日のテレビ番組で「なぜ、大谷を(新人王に)推すのか? ではなく、なぜ、大谷を推さないのか? が本当の疑問ですよ」と言っている。
「元選手である解説者の方々や、全米野球協会のベテラン記者の方々が、彼が怪我して欠場していたことや、投手としても打者としてもタイトルの対象となる規定数に達してないことを重視するのは理解できます。
でもちょっと待ってください。彼は両方やってるんですよ! ベーブ・ルース以外にそんなことをやった選手はいないんです! なぜ、大谷が新人王の投票対象にならないのか? そちらの方が疑問なのです」