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大谷翔平が打者でフル出場したら。
松井の31本塁打を超える可能性?
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2018/09/02 08:00
メジャーでは少し目立てば徹底的な対策がなされる……はずなのだが、現時点で大谷翔平がそれを苦にしている様子はない。
もし打者としてフル出場していたら……。
大谷は8月27日のロッキーズ戦でもジョン・グレーから本塁打を放ち、今季15号。それまでの1週間(5試合)で11打数5安打、2本塁打5打点、打率.455、出塁率.500、長打率に至っては1.364と絶好調だ。
今季15号本塁打はチームの132試合目、大谷にとっての258打席目に出た。
単純に考えれば、258打席÷15本塁打=17.2(小数点2位以下は切り捨て。以下同様)となり、ほぼ17打席に1回は本塁打を打っているペースだ。
では、もしも「投手・大谷」が存在せず、「打者・大谷」がフル出場していたら、今頃はいったい、何本の「ホームラン」を打っていることになのだろう?
たとえば大谷の同僚で、未来の殿堂入り選手アルバート・プホルスは指名打者と一塁手を兼任中だ。もしも、大谷が指名打者と外野(あるいは他のポジション)を兼任してプホルスと似たような立場だったと考えれば、何となく「打者・大谷」が選任した場合の数字が浮かび上がってくる。
プホルスは大谷が15号本塁打を打った132試合目で494打席に達していたので、その打席数にプホルスではなく、大谷の本塁打数を重ね合わせて本塁打ペースを考えてみる。
494打席÷17.2=28.7。つまり、すでに28本塁打以上は打っている計算になる。
それは今季の新人(8月27日時点)ではヤンキースの田中将大投手の同僚、ミゲール・アンドゥハー内野手や、ナ・リーグの最優秀新人の有力候補ロナルド・アクニャ・Jr.外野手の21本塁打を大きく上回っている。実際の15本塁打も新人6位である。
松井の31本を超えていた……?
大谷がこのままの本塁打量産ペースで打ち続ければどうなっていたか?
前出のプホルスは、18年に及ぶ長いキャリアの中で、怪我なくフル出場した年は150試合以上に出場して、650回以上は打席に立っている。
それを基準に考えてみると、もしも「打者・大谷」がフル出場して、今季650回以上打席に立ったとしたら、650打席÷17.2=37.7という数字が出てくる。
そう、今の大谷は、もしも彼が「打者」専任でフル出場していたら、37本以上の本塁打を記録するペースで本塁打を量産しているわけだ。
それは松井秀喜が2004年に記録した日本人メジャーリーガー歴代最多の31本塁打を大きく上回る数字だ。