マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
甲子園のベスト9を3通り考える。
プロ目線、大学目線、下級生限定。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byHideki Sugiyama
posted2018/08/24 08:00
根尾昂のあまりに高いポテンシャルは、観る側の想像をかきたてずにはおかない。たとえば新しいポジションでも……。
進学の可能性が高い選手にも才能が多数。
〔大学監督なら選びたいベストナイン〕
投手 森悠祐(広陵) 175cm75kg 右投右打
投手 木村颯太(佐賀商) 177cm79kg 右投右打
捕手 田島光佑(龍谷大平安) 173cm67kg 右投右打
一塁 河端利晶(広陵) 177cm86kg 右投右打
二塁 斉藤大輝(横浜) 178cm75kg 右投右打
三塁 中川卓也(大阪桐蔭) 175cm78kg 右投左打
遊撃 奈良間大己(常葉大菊川) 172cm66kg 右投右打
左翼 熊谷大貴 (仙台育英) 175cm68kg 右投左打
中堅 松本渉(龍谷大平安) 168cm64kg 右投左打
右翼 宮川寛志(奈良大付) 177cm70kg 右投左打
こっちだって、結構な顔ぶれになった。
大学の監督さんも根尾、藤原がほしいのはプロと同じだろうが、現状で「進学希望」の可能性が高いと聞いている選手たちから選んでみた。4年後に、今度はドラフトの主役になっていそうなメンバーだろう。
投手は2枚看板、ショートも迷った。
「ベスト10」になってしまったのは、「投手」をどうしても1人にできなかったからだ。この夏の甲子園、共にエースとしてチームを背負う矜持を全身ににじませながら、打者に向かっていった投げっぷりは「お見事!」のひと言。むしろ、プロ向きの印象すらあった。片方を“消す”ことがどうしてもできず、あえて2枚看板として挙げた。
捕手には送球スピード抜群の小池悠平(前橋育英)もいるが、田島のフットワークと全身の連動で投げられる理にかなったスローイングのほうを採った。立ち上がって上体の力で投げるタイプの小池は、肩にかかる負担が心配。修正の難しい捕手もいるが(私がそうだった)、可能であればこの秋を利用してぜひ。
「遊撃手」には、名手・宮尾将(慶応)もいたことを忘れてはならない。
無駄な動作をいっさい削ぎ取ったスムースでスピーディーな守備ワークは、甲子園をめざす高校生、中学生たちにとって絶好のお手本になる。