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大谷翔平は1年目でどこまでいくか。
イチロー、松井、城島の記録超えは? 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2018/08/11 11:30

大谷翔平は1年目でどこまでいくか。イチロー、松井、城島の記録超えは?<Number Web> photograph by AFLO

大谷翔平が放つ逆方向へのホームランは、メジャーでも完全に代名詞として定着している。

新人の誰よりも「語りたい」存在。

 元スーパースターから「毎日見たい」と思われるスラッガー。それがショーヘイ・オオタニであり、彼は自分の力でその立ち位置を確立したのだ。

 誤解を恐れずに書くと、メジャーリーグは現在のエンゼルスのことはまったく眼中にない。今の彼らが注目しているのはペナントレースの主人公であり、それはエンゼルスの同地区のライバルであるアストロズやマリナーズ、そして、アスレチックスである。

 そして、その3球団でさえ、田中将大投手のいるヤンキースとレッドソックスの「宿敵対決」に飲み込まれる。各地区で優勝争いをしているフィリーズやブレーブス、ダルビッシュ有投手が右肘の炎症からの復帰を目指すカブスやブルワーズ、前田健太のいるドジャースや平野佳寿のいるダイヤモンドバックスらの健闘に、エンゼルスの存在感はほとんど消えかかっている。

 にもかかわらず大谷は、現在メジャー最多の20本塁打を放っているパドレスのクリスティアン・ビヤヌエバ三塁手や、田中の同僚グレイバー・トーレス二塁手、メジャー最多の53打点を挙げているマーリンズのブライアン・アンダーソン外野手、新人最高の打率.317や大谷を凌ぐOPS.999を記録しているナショナルズのワァン・ソト外野手らの有力な新人選手よりも多く語られている。……少なくとも全米中継の野球番組では。

日本人打者への偏見は完全に消えた。

 大事なのは、そこに「日本人」という括りがないことだ。

 ショーヘイ・オオタニは最初、単なるHype=前評判に過ぎなかった。ファンやメディアだけではなく、選手や解説者たちも「Two Way Player≒投打二刀流」という看板に興味津々で、同時に半信半疑だった。

 その理由の大部分は「投手として成功している日本人は過去にも多いが、打者として成功している日本人は少ない」からだ。

 そんな「日本人メジャーリーガー」に対する偏見は今、完全に覆ったと言っていい。

 それは「メジャーリーグから見たショーヘイ・オオタニ」であり、「日本人メジャーリーガー大谷翔平」としてみると、それとはかなり違った意味での存在感が溢れてくる。

【次ページ】 日本人の1年目最多本塁打まであと6本。

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