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大谷翔平は1年目でどこまでいくか。
イチロー、松井、城島の記録超えは?

posted2018/08/11 11:30

 
大谷翔平は1年目でどこまでいくか。イチロー、松井、城島の記録超えは?<Number Web> photograph by AFLO

大谷翔平が放つ逆方向へのホームランは、メジャーでも完全に代名詞として定着している。

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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 8月9日現在、「打者・大谷」は62試合に出場して223打席に立ち、198打数54安打、12本塁打32打点、31得点5盗塁、打率.273、出塁率.351、長打率.535と非凡な才能を発揮している。

 「投手・大谷」も9試合に登板して4勝1敗、防御率3.10と非凡だが、現在はまだ右肘の怪我からの復帰途上にあるため、ペナントレースが白熱化する8月のメジャーリーグでは、地元ロサンゼルス以外で話題になることはほとんどない。

「打者・大谷」は、投手として出場していた期間とそのための休養日があるため、フル出場している他の新人野手より出場した試合数が少なく、規定打席にも達していない。

 だが、新人資格を持つ選手の中での54安打はア・リーグ9位(メジャー全体では19位タイ。以下同様)、12本塁打は同4位(6位タイ)、32打点は同7位(12位)、31得点は同9位(17位)、5盗塁は4位(7位)と立派な数字を残している。

 打席数が少ないので、足し算で計算する成績は上位3位までに顔を出すのが難しい。では、割り算で計算する成績はどうか。

 175打席以上の新人選手を対象にすると、大谷の打率.273はア・リーグ4位(7位)、出塁率.352は同2位(6位)、そして何と、長打率.535は同最高(2位)である。ちなみに出塁率と長打率を単純に足した攻撃力の指標OPS.887もリーグ最高(2位)だ。

「大谷は違いを起こせる選手なんだ」

 メジャーリーグは、これをどう捉えているのか。

 メジャー通算521本塁打の米殿堂入り選手で現解説者のフランク・トーマスは、自身が出演した番組の中で、大谷が反対方向へ本塁打を打ったシーンを見て最大級の賛辞を送っている。

「大谷はオフェンスにおける“Difference Maker=違いを起こせる選手”なんだ。ホームランが多発する今のメジャーリーグでも、左方向にこれだけの飛距離の打球を飛ばせる選手はそういない。まるで(通算630本塁打で殿堂入りの)ケン・グリフィー・Jrみたいじゃないか。

 エンゼルスが彼をマウンドに立たせたいと思っているのは知ってるが、僕は彼がもう投げなくたっていいと思っている。なぜかって? 彼はただ単に盗塁しているのではなく、一塁から三塁、二塁から本塁へと一気に帰って来られるスピードを持っているからだ。

 そして、彼の肩が良いのは時速100マイルの速球を投げられることで実証済みだ。つまり彼は外野手として成功する能力を持っているし、3番を打つには最適な能力も持っている。僕は彼を毎日見たいと思っている」

【次ページ】 新人の誰よりも「語りたい」存在。

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