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錦織圭、ギラギラの夏を思い出せ!
2年ぶりツアー最終戦へ勝負の季節。 

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吉谷剛

吉谷剛Tsuyoshi Yoshitani

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photograph byGetty Images

posted2018/08/06 12:30

錦織圭、ギラギラの夏を思い出せ!2年ぶりツアー最終戦へ勝負の季節。<Number Web> photograph by Getty Images

シティ・オープン(ワシントン)では、世界ランク3位のズベレフから第1セットを奪ったが、結局逆転を許して負けてしまった錦織圭。

マスターズ4強、全米OP8強の必要が。

 この時点で5位ノバク・ジョコビッチは3355Pで、6位ドミニク・ティーム、7位マリン・チリッチが続き、8位につける2820Pのケビン・アンダーソンまでが圏内。

 この上位を追う選手たちは10位のマルコ・チェッキナート(1631P)から20位のミロシュ・ラオニッチ(1305P)まで、だんご状態だ。

 錦織がこのグループから抜け出して、上を追いかけるにはマスターズで4強、全米オープンで8強(この成績で360Pを獲得)以上といった好成績を残すことが、この夏の必要条件となる。

 上位選手もさらに上積みしてくるのは確実。追い上げが容易でないことは、錦織自身が誰よりも理解している。

ズベレフに勝てば優勝の可能性も……。

 シティ・オープンでは今後の男子テニス界を引っ張る若手たちとの対戦となった。3回戦では19歳のデニス・シャポバロフを退けたが、準々決勝では21歳のアレクサンダー・ズベレフに6-3、1-6、4-6で逆転負け。8強止まりとなった。

 A・ズベレフには昨年の準決勝で完敗。4月のモンテカルロでは雪辱し、これが3度目の対戦だった。

「この速いコートは彼に合っている。去年はすごい早いタイミングでどんどんやられて何もできなかったので、色んなボールを交ぜて自分から攻めていくことが大事になる」と試合前は対策を練っていたが、相手の両サイドからの深いショットに巻き返され、錦織のフォアの精度がポイントを重ねるごとに悪くなっていった。

「第2セットでブレークされてから相手の球の速さや深さが変わってきて、彼に気持ち良くプレーさせてしまった」と、若さと勢いに飲み込まれたことを認めた。

 結果としてこのA・ズベレフが落としたのは錦織との第1セットだけで、大会2連覇を果たした。

 この難敵を乗り越えれば、タイトル獲得の可能性も十分にあった。

【次ページ】 競争が激化している男子テニス界。

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