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内田篤人が語る鹿島復帰から半年。
「今の状況に満足してないから」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byJ.LEAGUE
posted2018/08/01 08:00
右膝にテーピングを巻きながらも健在な内田篤人。その立ち居振る舞いから、鹿島の若手が感じるものは大きいはずだ。
完全復活とは言えない状況だが。
今年1月にドイツから帰国後、休む間もなくキャンプに入り、ほとんどのメニューを消化。そしてリーグ戦開幕前のACL初戦に出場した。アウェーでの第2戦は帯同しなかったが、リーグ戦開幕でスタメン出場して84分間プレーした。
しかし3月3日の第2節から、第7節まで負傷離脱で欠場した。その後は4月14日の第8節から5試合に先発(うち4試合途中交代)したものの、再びリハビリ組となり、ロシアW杯メンバー入りは叶わなかった。
当時、大岩監督は「コンディションが悪いのに内田を起用することはない」と話していた。リーグ戦に限れば14試合中6試合にしか出場できず、フル出場もわずか1試合にとどまっている。それを考えれば、完全復活とは言えない状況だった。
前半戦、3、4回は肉離れした。
それでも、「無理をした」時期があり、それが更なる悪化に繋がったとも考えられる。
「リーグ前半戦は発表こそしていないけれど、3、4回は肉離れした。W杯(メンバー入り)を狙っていたこともあり、監督も我慢して、スタメンで使ってくれた。だけど結局90分フル出場した記憶がないから、俺のなかでは(実際は5月2日の長崎戦でフル出場)。
でもこれが、1年半、2年間くらい試合に出ていなかった、ブランクのある現状のコンディションということ。後半戦は身体と相談しながら、ポイント、ポイントで行けるときに行こうと。無理をして試合に出て、痛めて抜けられちゃったら困るという話を(大岩)剛さんとした。俺もそう思う」
前述の町田戦ではフル出場したものの、その後のリーグ戦3試合ベンチスタート。そのうち出場は1試合だけだった。交代枠をDFに使うことのデメリットは、内田も理解している。だからこそ、ベンチ入りしても途中出場のチャンスは少ないことも痛感している。
タイトル奪還という目標達成のために、力を尽くしたい。その思いを持って帰国したものの、主力と言い難い自身の状態に対する憤りやジレンマは当然あるに違いない。
しかし、焦ったところでどうにかなるわけでもないし、その焦りが悪影響を及ぼすことは十分すぎるほど経験してきた。だからすべての現実を受け入れるしかない。