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逸材中の逸材、早大・齋藤直人。
2019年ラグビーW杯に間に合うか。
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph byMasataka Tara
posted2018/08/01 10:30
日本ラグビーの未来を背負うと嘱望される齋藤直人。赤黒のジャージの先に、日本代表の道がある。
20歳の大学生が勝利に貢献した。
果たして、齋藤の人生は変わったのか。
齋藤は後半6分から途中出場。すると類い稀なフィットネスとパスワークで攻撃を牽引。後半9分にはFL大戸裕矢のトライをアシストした。
そして後半ロスタイム、献身的なサポートでラストパスを受け、ゴール下に笑顔で勝ち越しトライ。
人生が変わったかは分からない。ただ20歳の大学生が、34-27の勝利に貢献したことは明らかだった。
手の届かない場所にあると思っていた、桜のジャージー。でも自分の今後の成長次第では、もしかしたら――。
サントリーの練習参加で得たもの。
しかし遠征で手にした自信は、帰国後、良い意味で打ち砕かれるのだった。
「ちょっと自信がついて遠征から帰ってきて、4月の終わりくらいからサントリーに合流しました。そこで『ほんと自分、下手だな』と思って」
齋藤は4月下旬から7月初旬まで、練習生としてトップリーグ2連覇王者・サントリーのトレーニングに加わっていた。
「サントリーの練習ではミスばかりでダメだったんですけど、『まだ成長できるんだな』とポジティブな気持ちになりました」
刺激的だった。質問に丁寧に答えてくれる日本代表スクラムハーフ・流大に感銘を受け、スタンドオフの田村煕などから、技術的な視点をたくさん学んだ。
なにより、王者ながら挑戦者のマインドを持ち、ピッチ内外で全力を出そうとするチームの雰囲気に魅了された。
「サントリーで活動させてもらったことで、メンタル面、技術面でも、いろんなことを学びました」