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宮原知子や坂本花織を悩ませる、
フィギュア女子ルール改正の余波。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAsami Enomoto

posted2018/07/30 10:30

宮原知子や坂本花織を悩ませる、フィギュア女子ルール改正の余波。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

全日本シニア強化合宿では、トリノ五輪銅メダリストのジェフリー・バトルから指導を受けた宮原知子。

新旧ルールでの得点の違いはどうなる?

 新旧ルールでの得点の違いがどうなるのか、例をあげてみたい。

<4回転トウループの場合>
旧ルール 最小6.30~最大13.30
新ルール 最小4.75~最大14.25

<3回転フリップの場合>
旧ルール 最小3.20~最大7.40
新ルール 最小2.65~最大7.95

 これに対する選手たちの受け止め方はそれぞれだ。

「お客さんもジャッジもノーミスですばらしい演技を期待しているからこそだと思います」

 坂本花織はルールが変わった意味をそう捉えた。ルール改正の余波は彼女の演技構成にも及ぶ。昨シーズン、「取り入れたい」と習得に力を注いでいたトリプルアクセルだったが、

「今シーズンは(トリプルアクセルは)封印します。7段階から11段階になったので、ちょっとでもミスをしたら、点数が引かれてしまいます。怖いなと思いました」

「質の良さを意識しながら」(宮原)

 全日本女王の宮原知子も神経を配る。

「まだ試合をしていないので、試合で分かったところのうち、グランプリシリーズまでに直せるところは直したいです」

 試合での適用がまだないため手探りではあるが、新シーズンに向けた練習では細かな意識の修正を行っている。

「+5まで増えたので、質の良さを意識しながら練習しています。例えば、ジャンプをちょっとだけ意識を変えて跳ぶようにしています。今までは漠然と、しっかり上がる、回転不足なく降りられるように、と考えていました。でも、上手な人は最後まで顔が残っているのに私は先に顔を回してしまう。残っている方が回転が速くなったり高さも出やすいと思うんです。そういうところでチャレンジしています」

【次ページ】 「ゆづ君のジャンプとか」(三原)

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