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ガンバのクルピ解任は「人災」。
再建チャンスの中断期間をフイに。
text by
下薗昌記Masaki Shimozono
photograph byJ.LEAGUE
posted2018/07/28 08:00
宮本恒靖新監督の就任で何かを変えたいガンバ大阪だが、クルピ前監督の解任までの経緯は看過できない。
「ありえへん。内容が最悪すぎる」
中断期間中、唯一となる練習試合の相手に選ばれたのは関西大学サッカー部。猛暑の中で行われた一戦は、天皇杯2回戦を思わせるような低調な内容で、主力組が出場した前後半は3-2で辛うじて逆転勝ちを収めたものだった。しかもラッキーな同点PKに救われて。
「ありえへん。内容が最悪すぎる」と同点PKを決めた倉田秋は不安を隠さなかったが、ハーフタイムには藤春が暑さでダウン。その後もコンディションは戻らず、広島戦と清水戦ではベンチにさえ入れていない。
クルピ流に言うならば、「ガンバ大阪は間違った監督と契約した。そしてクルピ前監督も間違ったクラブと契約した」のがこの半年間の実態である。
宮本新監督の率直な思い。
2012年に立て直しを託された松波氏よりも悪条件の中、新たに指揮官に就任した宮本監督は率直な思いを口にした。
「意外だったが、チームの状況が良くない中で話をもらい、自分がお世話になった、自分を大きくしてくれたクラブだったので、このタイミングで恩返しをしたいとオファーを受けた」
クラブ愛ゆえに、この苦境を引き受けたクラブのレジェンドを松波氏の二の舞にすることだけは許されまい。そして、シーズン終了後には、いかなる結末が待っていようともフロントの体制を一新することは不可欠だ。
数多くの才能を輩出した育成組織を作り上げ、そして攻撃サッカーの雄として一時代を築き、最高のサッカー専用スタジアムを有するまでに成長したガンバ大阪。
そんな素晴らしいクラブのフロントが旧態依然としたスタイルのままでいいはずがない。