酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
58打席連続ノーヒット記録にリーチ。
頑張れ、ロッテ岡田幸文。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2018/07/26 11:40
岡田幸文の守備、足はロッテの宝である。ヒットには見放されていても、一軍にいるのには理由があるのだ。
もうすぐホームラン無しで2500打席。
存在感と言えば、岡田は「ホームランを打たない」ことでも注目された。今年で岡田は実働9年になるが、この間ホームランは1本もなし。2014年7月31日には、プロ入りから連続1771打席本塁打なしのNPB記録を樹立。この記録はいまだ継続中だ。
通算本塁打0の打席数は多い方から次の3人だ。
1.岡田幸文 2496打席 (ロッテ 2010年~ )
2.横沢七郎 1770打席 (セネタース、フライヤーズ 1936~47年)
3.松本哲也 1449打席 (巨人 2008~16年)
プロ野球選手が1000回以上も打席に立てば、1本や2本は打球がスタンドに飛び込むものだ。近代野球では岡田の例は極めて珍しい。ちなみに3位の松本哲也も育成上がりだった。
見方を変えれば、本塁打を全く期待できない選手でありながら、岡田は908試合も起用されてきた。長打はなくても、いかに価値が高い選手かがわかる。そういう意味では「本塁打ゼロ」は勲章みたいなものと言えるのだが……。
野手の無安打記録にリーチ。
そして最近になって岡田幸文は、もう1つの「ゼロ記録」を更新中なのだ。それは「連続打席無安打記録」。
直近の安打は2016年10月4日、本拠地での楽天戦の第4打席。美馬学から三塁打を打ったのを最後に、2016年4打席、2017年40打席、2018年13打席、安打が出ていない。57打席連続無安打である。
NPBの連続打席無安打の記録はこうなる。
1.嵯峨健四郎 90打席(東映1964~65年)
2.工藤公康 84打席(巨人2000~02年)
3.猪俣隆 79打席(阪神1987~90年)
この数字を見て「何だ、まだ上には上がいる」と安心してはいけない。彼らはすべて投手だ。打撃を期待されない投手の中には、50打席、60打席と無安打を続けるケースがたまにあるのだ。
では野手はどうか?
1.桜井輝秀 58打席(南海 1977~78年)
2.岡田幸文 57打席(ロッテ 2016年~)
3.トーベ 53打席(オリックス 1993年)
4.河合保彦 52打席(西鉄 1959年)
4.ボーリック 52打席(ロッテ 1999年)
何と、岡田はリーチ。あと1打席で史上1位の桜井輝秀に並んでしまうのだ。