松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
松山英樹とウッズが初の同組に。
全英は「創造性」の勝負になる。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph bySonoko Funakoshi
posted2018/07/19 07:00
伝統の全英オープンに臨む松山英樹。タイガー・ウッズと同組でのラウンドは、日本のゴルフファンとしては見逃せない。
思わぬ賛辞に松山は「うれしいですね」。
ウッズのその賛辞を日本メディアから聞かされた松山は「うれしいですね」と素直に受け入れていた。だが、予選のみならず、ウッズとともに優勝争いしたいかと問われると「そこまで考えたことはない」。
これは松山の正直な胸の内なのだろう。最近、松山の口から強気な言葉が聞かれないのは、やっぱり好成績、好結果を出せていないからにほかならない。
前週のスコティッシュ・オープンは予選落ちを喫した。「ショットは悪くない」と感じ、「もっとやれる」と思っていたそうだが、その中で「何かをしなきゃいけないと思っていたら、すごく悪くなってしまった」。
だが、「いいと思ったのが悪いとわかった」のだから、試合には「出て良かった」と前向きに捉えている。
「結果が良ければ良かったってこと」
全英出場は今回が6度目。カーヌスティには初めて挑む松山は、ウッズのようにリンクスへの恋心を語ることはなく、「難しいのは難しい。フェアウェイは狭い。自分の状態が上がれば広く見えるんでしょうけど」。コースの印象も自身のそのときの調子次第で変わる様子。
そして、前週から今週にかけて複数のドライバーやパターを試し、何より結果を出すことを最優先で考えている。
全米オープンでは開幕前日にエースドライバーのヘッドが割れ、実戦初使用のドライバーで急場を凌ぐ流れになった。
だが今回は、以前にも実戦使用したことのあるドライバー(テーラーメイドM3 440)よりヘッドがやや大きいタイプ(M3 460)を前週のスコティッシュオープンで握り、今週もそれを握って練習中だ。パターも数本を試しつつ、「基本的にはエースパター。うまく打てないなら変えるかも」。
ウッズは創造的なゴルフを心掛け、それが最重要であると強調していたが、松山は結果を出すためのクラブ選びを心掛け、「結果が良ければ良かったってことになる。(すべては)結果が物語る」。その言葉からは、このところ好結果が出せていない松山の結果への渇望が伝わってきた。