松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
松山英樹の「いいところ」はあった。
全英OPの初日失速でも顔を上げて。
posted2018/07/20 11:30
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
AFLO
3年ぶりの全英オープン出場となったタイガー・ウッズと地元スコットランドの期待を担うラッセル・ノックス。大きな注目と大歓声を受ける2人の狭間で初日の1番ティに立った松山英樹にはアウェイ感が漂った。
メジャー大会でウッズと同組は初めて――日本ではそれが大きく取り沙汰されたが、すでに何度もウッズとの同組ラウンドを経験している松山が、今さらそこに惑わされるはずはない。
しかし終わってみれば、松山は1バーディー、5ボギーと沈み、4オーバー、75を喫して110位と大きく出遅れた。
一体、何がそんなに悪かったのか。何がそんなに問題だったのか。カーヌスティで松山の全18ホールに付いて歩き、つぶさに観察していたが、最後の最後まで「なぜ?」の答えは、はっきりとはわからなかった。
特別悪い何かがあったわけではない。
アイアンでティショットした1番はフェアウェイをわずかに右に外したが、10メートル超のバーディーパットはもう少しで入りそうなほどまでカップにすり寄り、パー発進。
「パーでスタートできたので、次のホールから1つでも伸ばしていこうと思った」
しかし、そんな想いとは裏腹に、次なる2番以降は、バンカーにつかまったり、3パットしたり、ラフに打ち込んだり、ナイスショットのはずがクリークに転がり込んだりと「いろいろ」経験。あれよあれよという間に、2番、5番、8番、10番でボギーを喫した。
それでもパー5の14番では深いラフから見事に2オンさせて、ようやく初バーディーを奪った。が、15番ではまたしてもバンカーに翻弄されて、すぐさまボギー。
ショットがどうしようもないほど乱れまくっていたわけではなく、パットもどうしようもないほど外しまくったり、蹴られまくったりしていたわけではない。特別悪い何かがあったというわけではなかったのだ。
それなのに、どうして4オーバーまでスコアを落とすラウンドになってしまったのか。一体、何がそれほど問題だったのか。それが、いくら凝視していても、よくわからない。
松山の初日は、そんな1日だった。