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肘の痛みにもダルが前向きな理由。
「やっぱり、原因あったやん」
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2018/07/15 11:30
再び復帰を目指してのリハビリに取り組むことになったダルビッシュ。それでも本人はポジティブな気持ちを持っているようだ。
古巣のドクターによる再検査の結果。
リハビリ登板から2日後、ロサンゼルスで投球練習を行ったが力を入れて投げられず、ダルビッシュは思わず「ヤバいでしょ」と口走った。異常なし、という診断結果で無理をした結果、彼の右肘はとうとう悲鳴を上げたのだ。
周囲の予想に反して「週末復帰」の回避が発表されたのは28日のことだ。翌日にはロサンゼルスからテキサス州ダラスに飛び、古巣レンジャーズのチームドクターでもあるキース・マイスター医師を訪ね、Second Opinion=違う見解を求めた。彼は2015年にダルビッシュがした右肘の側副靭帯の再建手術を進言した医師でもある。
再検査の結果は「右肘のインピンジメントと炎症」だった。
「骨と骨がぶつかっているような状態。周りの筋肉がそれをかばう動きをしていたから、上とか前とか、あちこち痛くなったんだと思う」
とダルビッシュ。絶望的にも聞こえるが、なぜか彼の表情は明るかった。
痛みの原因が分かって、気持ちが楽に。
「痛みの原因が分かったんで、気持ちは楽になった。診断で異常なかったのに痛いって言うから、周囲にしてみたら『なんや、こいつ、嘘ついてるんちゃうか?』ってなるでしょう。でもこれで自分が言ってたことが証明されたというか、『やっぱり、なんかあったやん』って」
痛みを抱えたままリハビリを続けたことについて、彼にはチームを責める気持ちはない。それはもう終わったこと。大事なのはこれからどうするか、だ。
「こうなった原因は分からないけど、筋量が落ちたことだけは確か。炎症が収まったらトレーニングをやっていきたいし、(上半身のトレーニングで)重たいものもどんどんやっていくつもり。トレーニングして関節周りの筋肉のバランスを良くしたり、ポジションを改善したりすれば良くなるかも知れない。それで駄目なら手術とかの方法もあるだろうけど、そこに関しては僕もまだ知識がない」