【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
千葉・島田代表と北海道・折茂代表、
同学年の2人が語るBリーグの未来。
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byCHIBA JETS FUNABASHI
posted2018/07/15 09:00
島田慎二社長(左)と折茂武彦代表。日頃から、チームのことだけではなく、Bリーグ全体について、ご意見番として取材を受けている2人である。
折茂「何よりも一番、島田さんの動きが軽快」
――以前、折茂さんはアウェーに行くと、選手である一方で代表という立場もあるため、試合以外の点も気になるとお話をされていました。
折茂「特にアウェーの千葉ジェッツ戦はそうですよ。本当にいろいろなことが徹底されていますから。スタッフの方々の動きもそうだし、何よりも一番、島田さんの動きが軽快で。やはり社長が動くからこそスタッフもついていくんだな、と。
うちはまだジェッツさんのようなお金をかけた演出、エンターテイメントはできませんが、これから1つずつ着実に、パワーアップさせていければいいですね」
ADVERTISEMENT
島田「いや、レバンガさんの一体感はすごいですよ。私の中では強く印象に残っているアウェー3大会場の1つです。ノリ、雰囲気、トーンにはレバンガ北海道ならではの安定のクオリティがある。うちのように派手にやるだけが演出ではありませんからね。
結局は会場に多くの観客がいて、その方々の熱量があることが一番のエンターテイメントなんですよ」
折茂「確かにそれに勝るものはないですよね」
島田「一番強いんですよ。それがレバンガ北海道にはあるので」
折茂「Bリーグは正直、まだ手探り状態」
――お2人が昨季、ファンの方々からかけられた言葉の中で印象に残っていることはありますか?
折茂「シーズン中は選手という立場もあるからか、ファンの方も遠慮してあまり言ってこないんですよ。ダメなものはダメでいいからどんどん言ってくださいと話しているんですけどね。
皆さんに喜んでいただけるようクラブとして努力を重ねていますが、完璧ということはありません。大切なことは、いかに“完璧”に近づけるか努力を積み重ねていくこと。それは常に心に刻んでいます」
島田「うちはここ数年で急成長して、今は“成長痛”の時期でもあり、賛否両論が巻き起こりやすい状況ともいえます。ファンの皆さんの声を聞きながら、どの方向へと会社をもっていけばよいか考えています。
長い目で考えたとき、会社にとってもファンにとっても、本当に良いことは何なのかを冷静に見て判断しています。そういった意味では今、我々はすごく大事な時期で、岐路に立たされていると思いますね。
Bリーグが発足して数年は関東に元気なチームがあったね……くらいで終わるのか、今の状態をキープできるのか。次の手が非常に重要です。いろいろな声はありますが、長期的な目で正しいジャッジメントを行う。それが今、私が最もフォーカスしているところです」
――お2人はクラブの代表であり、Bリーグの理事も務めています。日本バスケット界、Bリーグをさらに発展させていくためには、今後どのような改善が必要だと考えていますか?
折茂「Bリーグはまだ始まったばかりですからね。正直、まだ手探り状態だと思います。カンファレンス制、レフリー、外国籍選手、ルール……どの分野に関しても、これから決めなければいけないこと、改善しなければいけないことが山ほどあります。できるだけ早急に改善していかないと」