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ロシアW杯で誰が、どう儲かったのか?
“クローズド”な構造を“オープン”に。 

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池田純

池田純Jun Ikeda

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posted2018/07/12 08:00

ロシアW杯で誰が、どう儲かったのか?“クローズド”な構造を“オープン”に。<Number Web> photograph by Kyodo News

日本代表が帰国した際の成田空港には多くのファンが集まった。

W杯、五輪は“クローズド”で逆に損をしていないか?

 FIFA管轄のもと、大会のロゴはもちろんのこと、「W杯」や「ワールドカップ」という言葉はオフィシャルのスポンサー以外は容易に使用できないそうです。

 これはW杯に限らないことで、ラグビーW杯も、オリンピックにおける五輪マークも同様です。

 世界規模の大きな大会ですが、それを活かしてビジネス機会を創出できるのは、主催者や開催国の機構や、それに連なるごく一部の企業や人々。クローズドな世界だといえると思います。

 私はITの世界で働いていた経験も多いため、ビジネスの権益や根本の思想などに対し、イノベーションを前提とした目線で疑い、考える癖が付いています。

 ITでは頻繁に起こる、既存のシステムや収支モデルのパラダイムシフト。構造をひっくり返すことで、アマゾンやアップルなどが隆盛してきた時代を目の当たりにしてきました。そのため、どのように根本が変わったら、合理的なイノベーションが起こるのだろうかと、現状を疑問視するところから考え始めます。

 そこで気になったスポーツビジネスにおける根本的な構造が、クローズドとオープンという概念でした。

スマートフォン市場はなぜ爆発的に拡大したか?

 スマートフォンを例に考えてみましょう。

 アプリは誰でも作成することができ、本体を収めるカバーも自由に製作・販売ができます。スマートフォンを持つそれぞれの人が好きなカバーをつけ、便利なアプリを使用できる。その無限な広がりが、全く同じような工業デザインのスマートフォンを、十人十色な“私のスマホ”に作り変えてくれます。

 結果として、とんでもなく大きな市場になりました。

【次ページ】 オープン化することで、さらに価値が上がる!?

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