【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER

ロシアW杯で誰が、どう儲かったのか?
“クローズド”な構造を“オープン”に。 

text by

池田純

池田純Jun Ikeda

PROFILE

photograph byKyodo News

posted2018/07/12 08:00

ロシアW杯で誰が、どう儲かったのか?“クローズド”な構造を“オープン”に。<Number Web> photograph by Kyodo News

日本代表が帰国した際の成田空港には多くのファンが集まった。

オープン化することで、さらに価値が上がる!?

 このような「集合知」が、IT産業の発展に大きく寄与していることは間違いありません。

 1人がコントロールする世界でのアイデアや知識や行動には限界があります。中心の存在が握るのは根幹だけ。他はすべて、ソースコード、設計図までオープンにすることで、多くのアイデアと知恵が生まれ、イノベーションを高め、全体の規模や価値が高まります。

 スポーツビジネスにおいても、オープンな環境を整える、オープン化にシフトするとどんな世界が待っているのでしょう。

渋谷センター街を歩行者天国にして正式なお祭りに!

 アメリカのプロスポーツビジネスは、数年前からその世界に乗り出しています。

 多くの人がアイデアを創出し、利益を得、人々の接点が広がり、結果として競技のマーケットのイノベーション的発展につながっているのかもしれません。

 私が横浜DeNAベイスターズの社長だったころ、「I☆YOKOHAMA」という言葉は版権をフリーにしていました。街のバーも飲食店も、グッズの展開も、オープン化していきたいと考え、そのように公表していました。

 代表戦の後には、渋谷のセンター街が必ずといっていいほど盛り上がりますが、現状ではただの騒ぎで、ビジネス機会を何も生み出していません。

 代表戦の時だけセンター街を歩行者天国にして、パブリックビューイングを行う。入場料を取り、現地でビールやグッズなどを販売する。

 道路交通法などの大きな障害があることはもちろんわかっています。ですが、これくらい自由でオープンでもいいのではないでしょうか。

【次ページ】 オープン化でビジネス機会が爆発的に広がるはず!

BACK 1 2 3 4 NEXT
#ロシアW杯
#ワールドカップ

サッカー日本代表の前後の記事

ページトップ