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日本ハンド界から続々海外武者修行へ。
東京五輪への強化策は進んでいるか?
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2018/07/03 16:30
東京五輪も視野に入れ、海外で活躍中の土井レミイ杏利。海外経験豊富な選手が日本代表に増えてきている。
土井に影響を受けてハンガリーへ行った徳田。
だからこそ、チャンスがあれば、とくに若い選手には海外に挑戦してほしいと訴える。
「得られる経験も違いますし、そこ(海外)で学べるメンタルの強さや、もちろん技術も含めて全くレベルが違うと思います。チャンスがあれば出来るだけ早く、積極的に海外にチャレンジしてもらいたい。実際に経験しないと分からないことって多いと思う。とにかく海外でもまれてほしいですね」
そんな土井に影響を受けた1人が、今年2月にハンガリー1部・ダバシュVSEに加入した徳田新之介だ。
大学入学時から、「チャンスがあればすぐにでも行きたい」とそもそも海外志向は強かった徳田は、「土井さんや銘苅さん(淳、めかる・あつし/'12年からハンガリーやスペインでプレー。現・北陸電力)らのプレーや振る舞いを見たり実際に話をして、海外に行くことでプレー面はもちろん、人間的にも成長できると思った」と、大学卒業後すぐに異国でプレーすることを決断した。
高校生デビューの部井久も渡仏へ。
また昨年、史上初の高校生代表デビューを果たした部井久アダム勇樹も、今夏からフランス1部リーグのセッソン・レンヌでプレーすることが決まっている。
サッカーを始め、さまざまなスポーツで日本人選手が活躍の場を国内から海外へと移し、日常的に世界トップクラスの選手やチームと対戦することは珍しくなくなってきている。環境を大きく変化させ、その中で選手自身が成長することが、日本代表の強化にもつながってきた。
もちろん、海外でのプレーは試合や練習だけではなく、生活の中にもストレスはある。そういった環境下でいかに心身を鍛え、ベストの結果を残せるか。1アスリートとしてはもちろん、人間力も高められるだろう。
世界舞台で活躍する姿をイメージし、いかに海外でタフさとハングリー精神を鍛え上げられるか。日々の精進が彼らの、そして日本ハンドボール界の未来へとつながっていく。