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日本ハンド界から続々海外武者修行へ。
東京五輪への強化策は進んでいるか?
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2018/07/03 16:30
東京五輪も視野に入れ、海外で活躍中の土井レミイ杏利。海外経験豊富な選手が日本代表に増えてきている。
フランスで活躍する土井レミイ杏利の他、若手が台頭。
6月の5連戦では、初代表組の24歳杉岡尚樹や23歳吉野樹(共にトヨタ車体)らも試合で起用した。また、22歳の徳田新之介(ダバシュVSE/ハンガリー)や19歳の部井久アダム勇樹(セッソン・レンヌ/フランス)ら若手にも積極的に経験を積ませている。
「この1カ月で得られたものは、やっぱり“経験”じゃないですか。世界ランク1位のドイツと2試合できて、韓国、ブラジルといった強豪とも対戦することができました。ここで得られた経験は計り知れないと思います。とくに、若い選手や経験の浅い選手を監督は積極的に起用してくれるので」
そう語るのは、現在、フランス2部リーグ・シャルトル・メトロポールに所属する日本代表キャプテン土井レミイ杏利だ。
'13-'14シーズンから5季、フランスリーグでプレーし、日常的に屈強な選手たちの中で戦っている。
世界トップレベルのリーグで“経験”を積む28歳のベテラン土井が感じる、日本と海外の差とは一体どんなものだろうか。
海外との差は体格ではなくてメンタルだった!
「海外と日本で決定的に違いがあるのは体格差だとイメージされる方が多いと思うのですが、実はメンタルの強さだと僕は思っています。
フランスに行って一番衝撃を受け、自分が大きく変化したなと感じるのは、試合に臨む姿勢です。
(海外では)結果を残さなければ、選手人生が終わるというシビアな世界。それだけ切羽詰まった状況で意識を高めていかなければいけない。
試合前はみんなまるで今から戦争に行くかのようなモチベーションの上げ方をするんです。それぐらいの強い姿勢で試合に臨んでいますね」