バスケットボールPRESSBACK NUMBER
希望の八村塁、安定のファジーカス。
崖っ縁バスケ代表を変えられる2人。
posted2018/06/22 11:00
text by
永塚和志Kaz Nagatsuka
photograph by
Yuki Suenaga
崖っぷちに立たされたチームに、光が差しこんできた。
目前に迫った6月29日と7月2日。日本男子バスケットボール代表が2019年バスケットボールワールドカップ・アジア予選の1次ラウンド、最終ウィンドウ3の2試合に臨む。各グループ4チーム中3チームが2次ラウンドへ進出するが、日本はここまで0勝4敗。1次ラウンド敗退の危機に瀕している。
その日本チームに、この2試合、強力な新戦力が加わる。アメリカの強豪ゴンザガ大でプレイする八村塁と、4月末にアメリカから日本国籍へと帰化したビッグマン、ニック・ファジーカスが代表候補入りを果たしたのだ。
予選ここまでの4試合の日本の平均得点70.5得点はグループ最下位。リバウンド数でもすべての試合で相手に上回られている。だが2人の加入によって、これまで日本に欠けていた高さと得点力をもたらすことが期待される。
来たる最終ウィンドウ3に備えるべく、日本は東京と仙台で韓国を相手に2試合の強化試合を行なった。初戦は88-80で日本が勝利し、2戦目は87-99で韓国に軍配があがった。予行演習的な位置づけの試合の結果をそのまま鵜呑みにすることはできないが、ファジーカスと八村が加入してこれまでとはまったく違うチームになった印象は強い。
同じインサイドだがタイプは全く違う。
それにしても、タイプの全く異なる2人がよく同時に入ってきたものだ。
ともに基本はインサイドの選手である。ただ、それだけでは片付けられない良さがそれぞれにあるのだ。2人は日本代表のプレイの「幅」を随分と広げてくれそうだ。
まずは、ファジーカス。
彼がどれだけ優れた選手か、Bリーグをはじめとする日本の男子トップリーグを見てきた人にとっては「言わずもがな」であろう。今年までの6シーズン、川崎ブレイブサンダースでプレイし、同軍を常に優勝争いに導いてきた。その間、NBL、BリーグでそれぞれMVPを手にしている。今季はリバウンド王となった。