Number ExBACK NUMBER
トヨタ・ハイブリッド車がル・マン制覇。
「レースで使えるの?」からの12年間。
text by
大串信Makoto Ogushi
photograph byTOYOTA
posted2018/06/19 17:00
24時間を圧倒的な速さで駆け抜けたアロンソ(車上左)、ブエミ(同右)と中嶋(車内)。
トヨタは「いわば完全試合を成し遂げた」。
今年、セバスチャン・ブエミ/中嶋 一貴/フェルナンド・アロンソが乗った8号車は24時間で388周を走り優勝した。
レース中ベストラップは3分17秒658。マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペスが乗った7号車は386周を走って2位でフィニッシュした。昨年優勝したポルシェは367周、レース中のベストラップは3分19秒782である。
単純に比較できるものでもないが、トヨタの2台は大きなトラブルを起こさずスタートからフィニッシュまで突進を続け1位、2位で完走し、いわば完全試合を成し遂げたのである。
これがどんなに難しいことかは過去のル・マン24時間レースを振り返ればわかる。
今年のトヨタは、何よりも怖い見えない強敵に正面から立ち向かって24時間にわたって格闘し、それらをねじ伏せて勝ったのである。